今週の予想

決算を受けての個別株物色の可能性

 日経平均株価は、先週に年初来高値である4月24日の2万2,362円を更新し、三角もちあいを上放れしたことで、ここからの動きも米株式と為替次第ということになります。2万2,000円台での底値固めか、もしくは2018年12月3日の2万2,698円(三角もちあいの上値の基点)を終値で上回って、2万3,000円を目指す動きになるかどうかです。

 NYダウ平均株価は、史上最高値に接近しており、悪材料が出ると上値が重くなる可能性があります。例えば、10月16日に発表された9月米小売売上高が予想外の低調で景気減速懸念が広がり、株価を下げた一方、10月末のFOMC(米連邦公開市場委員会)による追加利下げ観測が高まり、下値を支えました。

 今週の悪材料の可能性として英国のEU(欧州連合)離脱問題があります。17日に「合意なき離脱」の回避で英国とEUは離脱条件で合意しましたが、これを受けた英国議会は混乱。混乱を回避できなければ、相場にとってはマイナス要因となります。

 今週は引き続き、米企業の決算と今後、本格化する日本企業の決算が焦点となりますので、物色的には全体的な指数よりも、決算発表を受けての一喜一憂する展開が強まる可能性があります。

 200日移動平均線が上向きになってきていますので、日柄調整が順調に進めば上を試すことになりそうです。

(今週の指標)日経平均株価

 先週に年初来高値を更新し、三角もちあいを上放れしましたので、このまま戻りを試すか、それとも2万2,000円台での底値固めになるかです。基本は引き続き、米企業の決算内容と、今後本格化する日本企業の四半期決算が焦点となります。

 相場環境としては、先週の英国とEU間で合意された離脱問題の回避が、週末の英国議会で混乱しており、この影響がどう出るのかに注目です。

 チャート的には、2018年12月3日の2万2,698円という三角もちあいの上値の基点を終値で上に抜ければ、2万3,000円を試す動きとなりそうです。 

(今週の指標)NYダウ平均株価

 今週も史上最高値に接近しているため、悪材料に反応しやすい状況にあります。

 17日の合意された英国とEUの「合意なき離脱」の回避が英国議会で混乱しており、混乱が回避されなければ、相場のマイナス要因となります。

 まだ、米企業の決算発表を多数控えており、内容によって一喜一憂する展開が強まりそうですが、下値では月末のFOMCによる追加利下げ観測が相場を支えることになりそうです。

(今週の指標)ドル/円

 今週のドル/円はもみ合いとなりそうです。

 10月末のFOMCでの追加利下げ観測が高まっていますが、これは16日に発表された9月米小売売上高の予想外の低調な内容で景気減速感が広がっていることによるもの。一方で、堅調な株価の上昇がドル買いとなっています。

 そして、英国のEU離脱が円滑に進むかどうかがポイントとなります。英国議会の混乱が回避されなければ、ドル売り要因となります。1ドル=107~109円のレンジを想定しています。 

先週の結果

先週は、米株高、円安を受け買い戻しで一気に年初来高値を更新

 先週の連休明け、15~16日は2日間とも大幅上昇となって、16日は+265円の2万2,472円と年初来高値を更新しました。その後は2万2,500円を挟んだもみ合いとなり、週末はザラ場で2万2,649円と高値更新をした後、終値は+40円の2万2,492円で引けました。

  上昇の要因は、買い戻しが主体で年初来高値を突破し、これを受けてさらに買い戻しが膨らんだこと。ジワリジワリと高値更新が続いています。出来高の低水準を見ても分かるように、現状は新規の資金が入っている状況ではなく、225採用銘柄主導の上昇となっています。

10月15日(火):前日のNYダウは小幅安でしたが、前週末の米株高、円安を受けて+264円の2万2,063円で寄り付き、後場には一時+420円まで上昇。終値では+408円の2万2,207円と大幅3日続伸し、半年ぶりの高値水準となりました。

16日(水):前日の米国市場は7~9月期の決算発表が好調で米株が主要3指標とも大幅反発。為替は1ドル=108円台後半となってきたことで、日経平均は+272円の2万2,479円で寄り付き、前場早々に+408円の2万2,615円まで上昇。4月24日の年初来高値2万2,362円を一気に突破し、後場には上海株が軟調となったことで上げ幅を縮めましたが、終値でも+265円の2万2,472円と年初来高値更新となりました。市場では、海外勢の買い戻しが主体であり、ここまで持ち上げると、さらに買い戻しを誘う可能性があるというコメントが出ていました。

 17日(木):16日の米株式も一服となったことで、日経平均も一服。▲21円の2万2,451円と小幅安で寄り付いた後、約100円幅の狭い範囲のもみ合いとなり、終値は▲21円の2万2,451円と5日ぶりの小反落となりました。 

18日(金):前日の米国市場は、好決算や英国の合意なき離脱の回避期待から、主要3指標そろって反発。これを受けて日経平均は+76円の2万2,528円で寄り付くと、前場後半に中国の7~9月期GDP(国内総生産)の悪化懸念があったわりには、6%を割らない好結果となったことで、一時+197円の2万2,649円まで上昇。しかし、後場は上げ幅を縮小して+40円の2万2,492円とザラ場、終値ともに再び年初来高値を更新しました。

 日本市場の引け後の米国市場では、2銘柄の悪材料でNYダウが▲255ドルの急落となりました。好決算は続いていたものの、ボーイング社が米連邦航空局に虚偽の報告をしたことが発覚。さらにジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)がベビーパウダーにアスベストの混入でリコール(自主回収)を発表し、この2銘柄でNYダウを227ドル押し下げました。シカゴの日経先物は+30円の2万2,490円と影響を受けていませんでした。