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『燃料電池車』(FCV)とは搭載した燃料電池で水素と酸素を化学反応させて発電し、その電力でモーターを回して走行する車です。世界的な環境規制の強まりなどからガソリン車から新エネルギー車への移行が求められる中、『燃料電池車』は水素ステーションの不足や高価格などから電気自動車(EV)に比べて普及が遅れていました。ただここにきて『燃料電池車』の普及に向けた取り組みが官民ともに活発化しています。

【ポイント1】『燃料電池車』は水だけを排出する「究極のエコカー」

『燃料電池車』は搭載した燃料電池で水素と酸素を化学反応させて発電し、その電力でモーターを回して走行する車です。走行中は二酸化炭素を始めとする環境に有害な排気ガスを出さず、水だけを排出することから「究極のエコカー」とも称されます。『燃料電池車』はガソリン車並みの充填時間の短さやエネルギー効率の高さに優位性がある一方、建設費用の高さによる水素ステーションの不足や、販売価格の高さなどが普及のネックとなっています。ただここにきて『燃料電池車』の普及に向けた取り組みが官民ともに活発化しています。

【ポイント2】『燃料電池車』拡大に向けた官民の動きが活発化

 

 水素エネルギーの利用拡大を議論する水素閣僚会議が9月25日、都内で開かれました。議長の菅原一秀経済産業相は燃料電池を使った車両を今後10年間で計1千万台に増やす世界目標を提案し、参加した30以上の国・地域が同意しました。各国が市場拡大を目指す方針を示すことで企業などの投資を呼び込む狙いがあります。

 トヨタ自動車は9月26日に中国自動車大手の第一汽車集団、広州汽車集団とそれぞれ、『燃料電池車』の開発で提携したと発表しました。協業先を増やして早期の普及を目指す方針です。また同社は10月11日、2020年末に発売する『燃料電池車』「ミライ」の新しいモデルを24日開幕の東京モーターショーで公開すると発表しました。燃料電池システムを刷新して発電効率を引き上げ、1回当たりの水素充填で走れる距離は従来のモデル(約650km)から約3割延長することを目標として開発しています。

【今後の展開】水素ステーションの増加や販売価格引き下げなどが鍵

『燃料電池車』の電気自動車に対する充填時間の大幅な短かさや、航続距離の長さなどの優位性を生かして、先行する電気自動車に対抗していけるかは、今後も官民挙げた取り組みにより、ネックとなっている水素ステーション数の増加や販売価格引き下げが一段と進められるかなどが鍵となります。

 ※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。