中間決算発表前、コア銘柄の値動きをチェック
10月後半~11月前半にかけて、3月期決算企業の中間決算(7-9月期)発表が株価ドライバーになります。具体的には、2019年10月23日に予定されている日本電産(6594・東証1部)から本格化し、各企業の業績動向が周知されていきます。
特に中間決算発表時にほとんどの企業が示す「通期業績見通し」が、株価を左右することになります。
「米中貿易摩擦」に端を発する世界景気に対する不透明感は消えたわけではなく、多くの企業が保守的な通期見通しを出してくると思われています。そうなると「想定通り(=織り込み済み)」となり、株を売る動きは限定的と想定されます。
しかし、さらに業績が冷え込むとの見通しが続出すると、投資家はそれに沿った動きをすることになるでしょう。今回の中間決算発表は非常に重要なものと言えます。
その動向を決定づけるのは、やはり大企業の動向です。マクロ経済の動向を反映することになる大企業の業績見通しを素通りすることはできません。
以下のような企業は、東京証券取引所に上場している企業の中でも「今の全体相場への影響力」が大きいものです。自身が投資していなくとも注視しておくべきでしょう。
日本電産(6594・東証1部)の日足チャート ※10月23日決算発表予定
村田製作所(6981・東証1部)の日足チャート ※10月31日決算発表予定
ファナック(6954・東証1部)の日足チャート ※10月28日決算発表予定
トヨタ自動車(7203・東証1部)の日足チャート ※11月7日決算発表予定
東京エレクトロン(8035・東証1部)の日足チャート ※10月31日決算発表予定
これらのコア銘柄の株価の動きは、この一年を見るとそれほど売られていないばかりか、買われて高値を更新しているものもあります。このことから、投資家はそれほど悲観に傾いていないことが分かります。
しかし、中間決算時の通期業績見通しにおいて想定以上の悪い数字が示され、これまでの見方が否定されることもあります。企業の業績動向を事前に完璧に把握することはできないため、ポジティブとネガティブ両方のサプライズが起こりやすいのが「決算発表時期」です。
ネガティブな見方が強まると「内需株」が注目される
仮に「世界景気の回復にはまだ時間がかかる」との見方に傾くと、逆に注目度が増すのは「内需株」です。ほぼ米中貿易摩擦に左右されない、足元業績堅調な銘柄や、この局面で業績が好転している銘柄に資金シフトが起こるのは自然なことと言えます。
内需株というと「IT関連株」に目が行きやすいですが、他にもたくさんの銘柄が存在しています。細かな銘柄も多いため、その選別は時間をかけて行うことになります。
ここでは10万円で投資可能な「業績好調継続が見込まれる内需系小型株」の一例として、5銘柄を紹介します。
10万円で投資できる業績好調・内需系小型株
株価データは2019年10月16日終値ベース。
技研ホールディングス(1443・東証2部)
のり面(人工斜面)保護、放射線防護工事など、特殊土木工事を主力とする建設持ち株会社です。
※11月中旬(未定)決算発表予定
・技研ホールディングスの日足チャート
ピーエス三菱(1871・東証1部)
高強度・高耐震性・短工期のプレストレスト・コンクリートで知られるゼネコンです。橋梁(りょう)工事に強みを持っています。
※11月8日決算発表予定
・ピーエス三菱の日足チャート
ヤマト(1967・東証1部)
空調・衛生・冷凍冷蔵など管設備工事が主力です。電解水でレジオネラ菌対策を施す独自の衛生管理システムでも知られます。
※10月30日決算発表予定
・ヤマトの日足チャート
大崎電気工業(6644・東証1部)
電力量計の国内首位企業です。売り上げの過半は電力会社向けで、現在はスマートメーター(通信機能を併せ持つ電子式電力量計)の普及に注力しています。
※11月6日決算発表予定
・大崎電気工業の日足チャート
富士ソフトサービスビューロ(6188・東証2部)
コールセンターサービスと他社業務プロセスの受託が主力の企業です。年金業務など、官公庁案件に強みを持っています。
※11月6日決算発表予定
・富士ソフトサービスビューロの日足チャート
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