本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは108.47

下値メドは106.41

今朝の天気マークは「晴れ」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

どの国もトランプ大統領の言うことをきかなくなってきた​

 米中貿易交渉の進展期待でNY時間に107.62円まで上昇したドル/円ですが、今朝(10日)の東京市場で107円割れ寸前まで急落。米中貿易協議進展の期待で買われていましたが、「全く進展なし」という否定報道がでたことで反転、昨日の上昇分をほとんど吐き出しました。ドル/円はしばらくこのトピックで上下することになるでしょう。

 今週になってトルコリラ/円が下げ足を速めています。しばらく安定状態が続き、上昇トレンドに入る兆しもあったのですが、やはり新興国通貨は油断できません。

 リラ下落の背景はトルコを中心とした中東情勢の緊迫化。きっかけは米軍部隊がシリア北部地域から撤収を開始したことで、それまで米軍に遠慮していたトルコ軍が、これはチャンスとトルコがテロ組織と見なすクルド人の排除のためシリアに侵攻したのです。

 トランプ大統領はトルコが勝手なことをやったら許さないと憤っていますが、それで解決するなら地上からとっくに戦争はなくなっています。そもそも米軍撤収を命じたのはトランプ大統領。それに去年の米牧師拘束事件があって以来、エルドアン大統領と米国の関係は良好ではありません。トランプ大統領の発言がさらに問題をエスカレートさせるリスクも高まっています。トルコリラは、中東の地政学リスク、それにプラスして対米関係の悪化で投資家が売り急ぐ状況です。

毎ヨミ!FXトップニュース

9日のドル/円のNY市場の終値は107.52円

 8日の終値に比べ0.44円のドル高/円安だったので、今朝の天気マークは「晴れ」です。

今日の格言:

人間は、自らが作り出した道具の道具になってしまった - デイヴィッド・ソロー​

各国・各通貨トピックス

ドル:
 米中貿易協議の合意は期待薄。最悪「合意ゼロ」も
 トランプ大統領に納税記録の提出命令 – NY連邦地裁
 米民主党の過半数が政権奪回より「トランプ大統領の弾劾」を優先
 クラリダFRB(米連邦準備制度理事会)副議長「リセッションのリスクは高まっていない」

ポンド
 離脱交渉決裂で、残るは期限延長か不信任案提出、さもなければ「合意なき離脱」
 英労働党のマニフェストに「国民投票」の実施
 有権者の2/3が、「ジョンソン首相は女王に謝罪すべき」= 英世論調査

ユーロ
 ドラギECB(欧州中央銀行)総裁「ユーロ圏の成長力は著しく減退した」
 スイスは「為替操作国」の全てのカテゴリーに該当
 移民問題がEU(欧州連合)内部で深刻な亀裂を生む

NZD: 
 オアRBNZ(NZ準備銀行)総裁「非伝統的金融政策はおそらく不要。しかし低金利は維持」

カナダドル: 
 10月21日に総選挙

その他:
 国連が9月末に赤字に転落。出張を抑えるなどの緊縮措置
 フィリピンのドゥテルテ大統領が難病の重症筋無力症を公表
 英国人の新車購入、3人に一人が電気自動車を検討

主要指標終値

出所:楽天証券が作成
 

本日の注目通貨

トルコリラ/円:注目レベルは18.03円

 トルコリラ/円の直近の高値は19.65円(7月31日)、安値は16.41円(8月26日、年初来安値)。以来今日までトルコリラ/円はこのレンジ内で推移していますが、トルコのシリア侵攻がレンジを下抜けさせるトリガーになるかもしれません。

 まず注目したいのは高値と安値の50%である18.03円。この水準を下回ると、リラ売りの勢いが強まる可能性があります。9日のトルコリラ/円(終値)は18.27円。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 リラ安のメドは、18.00円を完全下抜けするなら次は16.41円まで大きなサポートはなし。リラ高方向は18.50円、19.11円(9月高値)がレジスタンス。

 リラ/円の1日の平均値幅は0.25円から0.30円です。8月以降の始値から高値までの最大値は0.35円。しかし、始値から安値までの最大値は1.63円を記録しています。この通貨ペアを取引する人は、すでによくわかっていると思いますが、下落相場は特にヒステリックになります。

トレード前に必ずチェック!今日発表の重要指標!

10日:英GDP、ECB議事録、米CPI など

経済指標過去データは楽天証券サイトにてご確認ください。 出所:楽天証券作成

◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。


※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。