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『国慶節』とは、中国の建国記念日(10月1日)です。『国慶節』に伴う大型連休は、中国のゴールデンウィークとも言われ、毎年多くの人が旅行に出かけます。2019年は建国70周年にあたり、10月1日から7日までの7日間が『国慶節』の連休となります。中国から大勢の観光客が日本を訪れるため、日本のインバウンド消費(訪日外国人の消費)にとっても注目されるイベントです。

 

【ポイント1】『国慶節』の中国人の旅行者数は巨大

約8億人が旅行する見込み

 中国の大手オンライン旅行会社シートリップが発表した、今年の『国慶節』の連休における中国人の旅行動向によると、旅行者数は延べ8億人に達する見通しです。

 2018年の『国慶節』の連休では、前年比で9%増の7億2千万人が国内旅行で移動したと報じられました。シートリップによれば、海外へ出国した中国人は約700万人に達した模様です。

 

【ポイント2】海外旅行は日本が1位

香港、台湾からシフト

 シートリップによれば、今年の『国慶節』の海外旅行では、日本の人気が高まっています。『国慶節』向けのビザ発券数の約4分の1を日本が占めているとのことです。個人旅行の目的地は日本が1位、タイが2位、シンガポールが3位、米国が4位、豪州が5位となりました。食事やアニメなど多様性に富む日本の文化に惹かれ、個人旅行のリピーターが増えているようです。

 例年人気の旅行先だった香港や台湾は、「逃亡犯条例」をきっかけとした香港の抗議デモや、中台関係の悪化による台湾への個人旅行の停止措置を受けて、ランキングのベスト10の圏外に外れ、日本などにシフトしているとみられます。

 

【今後の展開】中国からの訪日客数は増加が続く

 一方、日本政府観光局によれば、8月の訪日外国人客数は252万人と、日韓関係の悪化を受けた韓国からの訪日客数の大幅減少を受けて、全体では11カ月ぶりに前年割れとなりました。ただし、中国からの訪日客数は前年同月比16%増の100万人と堅調に伸びました。新規就航や増便による航空座席供給量の増加やビザの発給要件緩和の効果が出ている模様です。

『国慶節』の連休が始まり、この夏に新規の路線が就航した関西空港には大勢の中国人旅行客が続々と到着しています。10月1日から日本の消費増税が実施されたなか、インバウンド消費が国内景気を下支えすることが期待されます。

*個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。