先週は、北朝鮮の水爆実験により、1万9,300円台まで下落

先週の予測

 前週は北朝鮮の日本上空を通過するミサイルを受け、日経平均は1万9,300円割れ。しかし米国市場は自国に影響がないとの見方からすぐに織り込み、好調な経済指標を受けて株高・ドル高に。日本市場も一時1万9,700円を回復する動きとなりました。

 
 日経平均株価は、米国の経済指標をにらみながらも、FRB(連邦準備制度理事会)の年内利上げの見通しや、9日の北朝鮮の建国記念日を前に様子見となることが予想されることから、1万9,700円の達成感もあって、目先は一服することを想定。


 ただし、9月3日(日)に北朝鮮がこれまでの核実験の最大規模となる水爆実験を実施したことで、米国の対応と国際社会の対応がどうなるのか注視が必要であり、日経平均は緊張が高まれば前週想定した1万9,000~1万9,700円のレンジの中で下値を模索する動きとなる可能性もあるとしました。

結果

 下値をさぐる動きとなり、柴田罫線では5日(火)に▲122円の1万9,385円でさらなる下落を暗示する売法則が出現し(チャート分析でお知らせしました)、週末の8日(金)には、1万9,239円まで下げて▲121円の1万9,274円で引けました。なお、この日の米国市場ではシカゴの日経先物は1万9,150円となっていました。

 4日(月)は、前日の北朝鮮の水爆実験を受け、東アジアの地政学的リスクが意識され、リスク回避の売り先行に。一時▲212円の1万9,479円まで下げ、終値は▲183円の1万9,508円となりました。この日の米国市場はレーバーデーで休日のため先送り姿勢が強まりました。為替も109円台後半の円高に。

 5日(火)は、寄り付きは前日の大幅下落の反動で買いが先行するものの、戻り待ちの売りに押され、為替が109円台前半の円高になると、下げに転換。一時▲153円の1万9,354円まで下げ、引けは▲122円の1万9,385円と続落しました。

 6日(水)は、前日の3連休後の米国市場では、北朝鮮の水爆実験を嫌気しNYダウは▲234ドルの2万1,753ドルに。日経平均も3日続落となり、▲27円の1万9,357円となりました。

 7日(木)は、前日の米国市場で株価が反発したことを受け、日経平均も一時+124円の1万9,482円まで上昇しましたが、上値重く上げ幅を縮小して+38円の1万9,396円で引けました。 

 週末の8日(金)は、前日の米国市場でハリケーンの影響から新規失業保険者が急増したことで年内の利上げ観測が後退。為替は1ドル=108.05円までのドル安・円高となり、これを受けて日経平均は1万9,239円まで下げ終値は1万9,274円となりました。この日は9月SQの清算日でSQ値は1万9,278円となり、終値は1万9,274円ですので4円下回って引けました。

  日本市場の引け後の米国市場は、ハリケーンや北朝鮮リスクが引き続き重しとなり、主要指標はマチマチで、NYダウは+13ドルの2万1,797ドル、ナスダックは▲37ポイントの6,360ポイントでした。シカゴの日経先物は+10円の1万9,150円となっていました。

今週は、リバウンドのあと来週のFOMCに向かってもみあいへ

今週の予測

 9日(土)は、北朝鮮の建国記念日で北朝鮮のミサイル発射などの挑発行為が懸念されていましたが、何事もなく通過。米国のハリケーンも落ち着きそうです。11日(月)は、目先の不安材料が後退し、リバウンドからスタート。

 ただし、リバウンドのあとは引き続き北朝鮮情勢を見極める展開となります。為替はFRBによる年内利上げ観測が後退し、長期金利が低下していることで日米金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りが入りやすい状態となっています。

 今週は1万9,000~1万9,700円のレンジの中で戻りを試すリバウンドとなり、為替次第では下値模索の動きになる可能性があります。為替が安定していれば来週のFOMC(連邦公開市場委員会)に向かって安値圏でのこう着状態が続くことになりそうです。

 11日(月)は、9日の北朝鮮の建国記念日に挑発行為がなかったことや円高一服もあって予想以上のリバウンドとなり、一時+292円の1万9,567円まで上昇しましたが、25日移動平均線(1万9,554円)に上値を抑えられ、終値は+270円の1万9,545円となりました。1万9700円水準まではリバウンドの範疇といえます。下値は先週の9月SQ値である1万9,278円をすぐに回復しましたので、目先は大きな問題が起きなければ1万9,300円が下値サポートラインとなります。

(指標)日経平均

先週の予測


 債務上限問題を受けた米政府機関の閉鎖懸念については、ハリケーンへの対応を遅れないにようにするため、合意ができそうになっていることがプラスになる半面、北朝鮮による再度のミサイル発射があれば、緊張が高まってくることを材料としました。


 日経平均は前週、1万9,000~1万9,700円のレンジの中、為替が110円台までの円安となったことで、1万9,700円水準を試す動きとなり、目先一服感が出るかどうかがポイントになると予想。ただし、9月3日(日)に北朝鮮が核実験(最大規模)を行ったこともあり、1万9,300~1万9,700円のレンジの下限をさぐる動きを注意点としました。

結果

 柴田罫線で9月5日(水)に▲122円の1万9,385円でさらに一段の下げを示唆する「ろく売」が出て、週末の9月8日(金)は1万9,239円まで下落。終値は▲121円の1万9,274円で引けました。

今週の予測

 引き続き北朝鮮情勢を見極める展開となりそうです。11日(月)に国連安全保障理事会で制裁決議がなされたことで、北朝鮮のミサイル発射の可能性がでてきます。足元は米国のドル売り要因が多く、日米金利差の縮小予想からの円買いが高まれば日経平均は一段安となってきます。1万9,000~1万9,700円のレンジの中で戻りを試したあと再び下値模索となる可能性があります。

 

(指標)NYダウ


先週の予測

 政府の債務上限問題やハリケーン復旧への対応などへのトランプ政権の対応と、北朝鮮情勢を見極める展開となるとし、再度ミサイル発射があれば緊張が高まってくるとしました。

結果

 9月3日(日)の北朝鮮の核実験を受けて、NYダウは3連休後の9月5日(火)に▲234ドルの2万1,753ドルと大幅反落。その後は、北朝鮮への制裁をめぐる国際的対応を見極める動きから、9月9日(金)は+13ドルの2万1,797ドルで引けました。

今週の予測

 債務上限問題は、12月まで延期される予定となり議会は税制改革法案に集中できるため、年内成立への期待が高まるものと思われます。ただ、今週は観測史上最大といわれるハリケーン「イルマ」が「ハービー」に続いてフロリダ直撃の予想となっています。また、北朝鮮への警戒感もあるため株式相場は不透明な動きとなりそうです。
  

 

(指標)ドル/円

先週の予測

 トランプ政権の対応とFRBの金融政策の不透明感が広がっていることから方向感のない展開が想定されるとしました。

結果

 北朝鮮の核実験でリスク回避の円買いが進行。さらに、ブレイナードFRB理事が利上げに慎重な姿勢を示すとドル売りが加速。直近のダブル底となっていた4月14日の1ドル=108.55円、8月18日の108.60円を下回り、9月8日(金)には一気に107.32円まで下げて107.79円で引けました。

今週の予測

 チャート上ではドルが下放れした形となっており、相場環境を見ても米朝関係の緊張が続き、大型ハリケーン「イルマ」の被害も懸念されることから、ドルは引き続き売られやすい状況にあるといえます。また、トランプ政策と追加利上げの継続の可否を見極める状況もあり、ドルが売られたあとはもみあいとなりそうです。106~109円のレンジの動きを想定します。