今週の予想

 今週は、10月初めの米中通商協議への期待に支えられ2万2,000円台の値固めか?

 日本市場は秋分の日で休場だった9月23日(月)、欧州ではドイツの9月製造業指数が金融危機以来の水準に悪化し、他の欧州各国も経済指標がさえなかったことで欧州株が下落。この流れを引き継いで米国株式も軟調スタートとなりました。

 しかし、米中双方が先週の実務者レベルの交渉は建設的であったとしたことで、10月初めに予定されている閣僚級通商協議への期待が下支えとなり、NYダウ平均株価は一時▲103ドルの下落から、切り返して+14ドルとほぼ変わらずで引けました。

 そして、3連休明けの24日(火)の日経平均株価は、NYダウの動きを見て反発スタート。先週の17日(火)まで10連騰で上げ幅1,381円。節目となる2万2,000円台を回復して年初来高値4月24日の2万2,362円に接近する動きとなり、一服ムードも出るところです。

 騰落レシオも先週末で136%と過熱感ゾーンに入っていますので、注意が必要です。年初来高値である4月24日の2万2,362円は、同時に短期の三尊天井のピークですので、目先は上値の重たさとして意識されるところです。このまま2万2,000円水準で値固めして上値を試すのか、それともいったん一服して値幅調整した後に上値を目指すのかは、米国株式動向と為替の動きにかかっています。

 当面は10月初めの米中通商協議の内容がどうなるのかを確認しながらの展開となりそうです。

 また、今週は9月の配当権利取りでしっかりした動きの可能性があります。

(今週の指標)日経平均株価

 3連休明けの今週は、先週末に中国政府代表団が米国の農業視察を中止したことで、米中通商協議が心配されましたが、10月に協議が合意されたことが発表されたため、相場は協議動向を見て、もみ合いとなりそうです。

 4月24日の年初来高値2万2,362円を前に上値が意識されますが、相場環境に大きな変化がなく2万2,000円水準の値固めができれば、NYダウにツレて上値を試すことになります。いったん下げる場合は、日米首脳会談でのトランプ米大統領の発言内容や、イランへの批判内容によっては、相場に影響を与えることになります。

(今週の指標)NYダウ平均株価

 今週は、先週末の米中通商協議の後退懸念、また、サウジアラビアへのイランの攻撃疑惑をめぐる中東リスクから、株価は一服する可能性があります。イランに対して米国が軍事措置を取らなかったことで、事態は落ち着きを取り戻していますが、トランプ政権はイラン中央銀行への経済制裁を実施。予断を許しません。

(今週の指標)ドル/円

 今週は、ドルは伸び悩む可能性があります。先週末、トランプ大統領が2020年米大統領選前までに米中通商協議を合意する必要はないと発言。中国代表団は米国の農家視察を中止して帰国を早めるとの報道があったためです。ドル/円は106~108円のレンジ内の動きを想定しています。

先週の結果

 日経平均は、一時2万2,000円割るも2万2,000円台での安定した値動きを維持

 先週の予測は、3連休明けの日経平均は前週末に一時2万2,000円を達成し、9日続伸になっているため、NYダウ次第では一服してもおかしくないところとしました。

 短期のチャートを見ると、2019年3月4日の2万1,860円、4月24日の2万2,362円、7月25日の2万1,823円と三尊天井を形成。8月6日の2万110円まで下げて、ここからの反発で9月13日(金)に2万2,019円まで上昇。3月4日の2万1,860円、7月25日の2万1,823円と三尊天井の1番目と3番目を突破し、残るは2番目の1番高い山である4月24日の2万2,362円を残しました。

 そのため、この2万2,362円を突破できるかどうかが正念場です。ここを一気に突破できれば三尊天井の崩れ型という法則がでて一段高の期待が出てきますが、現状ではNYダウは最高値に接近しており、日経平均も過熱感が出ているため難しいところです。

 特に米中通商交渉は進展期待が高まっていますが、経済的には妥協の余地があっても根本は米中の覇権争いのため、トランプ大統領の言動がどう変化するのか不透明で慎重な投資スタンスを必要としました。

  先週の米株式は、前週末のサウジアラビアの原油関連施設が爆撃され原油価格が急騰し、主要3指標そろって反落(NYダウは9日ぶりの反落▲142ドル)となりましたが、その後は9月19日(木)まで落ち着いた動きとなっていたことで、日経平均は1ドル=108円台前半の円安に支えられ、2万2,000円水準でのしっかりした動き。一時2万2,255円まで上昇しましたが、週の終値は2万2,079円でした。

9月17日(火):前日の米国市場では、サウジアラビアの原油施設の爆撃事件を受けて原油高による景気減速懸念からNYダウは9日ぶりに▲142ドルの2万7,076ドルの反落となったことで、日経平均は▲40円の2万1,947円で寄り付き、一時▲109円の2万1,878円まで下落。その後は円安・ドル高を支えに+52円の2万2,041円まで反発し、終値は+13円の2万2,001円と10日続伸し、5カ月ぶりの2万2,000円台回復となりました。

18日(水):翌日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に様子見となり、ポジション調整が行われて▲40円の2万1,960円と11日ぶりの反落でした。

19日(木):前日の米国市場でFOMCの予想通りの0.25%の利下げを受け、年内の追加利下げの明確な示唆がなかったことで、NYダウは失望売りから一時▲211ドルに。しかし、すぐに反発して+36ドルの2万7,147ドルで引けたことで、日経平均は買い先行となり、+103円で寄り付くと、+294円の2万2,255円まで上昇しました。

 この上昇は9月期末決算の権利取りの動きが出てきたとの見方もありましたが、後場になると日銀の金融政策決定会合での現状維持発表で、日米金利差縮小の思惑で一時107.80円まで円高が進むと上げ幅を縮小し+83円の2万2,044円で引けました。

20日(金):買い戻しの流れが続くとともに、9月末の配当権利取りの動きも活発化し、+86円で寄り付くと、一時+160円の2万2,204円まで上昇。後場になると前日と同じように買い一巡後は上げ幅を縮小し、+34円の2万2,079円となりました。 2日連続して日足では上ヒゲの長い陰線となっていますので、要注意となります。

 引け後の米国市場では、トランプ大統領が2020年の米大統領選までに米中通商協議を合意する必要はないと発言し、中国代表は米国の農家視察を中止して帰国を早めたと報じられたことで、通商協議進展期待が後退し、3指標そろって下落。NYダウは▲159ドルと2日続落となりました。為替は1ドル=107.52円の円高となり、シカゴの日経先物は▲115円の2万1,795円で終わりました。