香港再開発でさらに存在感拡大、公共住宅の建設加速が追い風

現地コード 銘柄名
03311

中国建築国際

(チャイナ・ステート・コンストラクション)

株価 情報種類

 7.84HKD
(9/19現在)

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 1979年創業の中国建築国際は、香港事業を手掛ける国務院国有資産監督管理委員会(SASAC)傘下の基幹企業の一つであり、香港・マカオを代表する建設大手でもある。香港では現在、公共住宅の中期的な供給拡大に向け、「土地回収条例」(Land Resumption Ordinance:老朽建物などが建つ政府保有地を回収し、公共住宅開発に回すための条例)の下、速やかに土地供給を増やすよう求める声が上がっており、実際にそのための対応が進んでいる。公共住宅建設プロジェクトが完工するまでの期間は6-7年だが、同じ政府保有地で民間不動産開発を行った場合、所要期間は15-20年。同条例の施行がこの先、前倒しの不動産開発やインフラ建設を後押しする見通しとなった。これは現地の建設大手である中国建築国際にとっての追い風。BOCIは目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 香港での今後の建設事業において、BOCIは中国国有企業、特にSASAC傘下の国有企業(中央企業)が大きな役割を担うとみる。中国建築国際は同系列の不動産デベロッパーの中国海外発展(00688)とともに、1979年に香港で設立された、いわば老舗であり、香港の再開発において重要な役割を果たす見込み。国有企業にとってのビジネスチャンスは大きく、香港でのシェア拡大の余地も大きい。

 香港では複数の社会団体が政府当局に対し、住宅高騰問題に取り組むため、速やかに土地供給を拡大するよう要請。さらに公共住宅の完工までの待ち時間を現在の5.4年から3年程度に短縮することを求めている。こうした要請は「土地回収条例」に基づくもの。向こう10年間の公共住宅開発計画においては、21.3%分の用地不足が生じているのが現状という。この先、仮に公共住宅プロジェクトの所要期間が3年に短縮されれば、政府は中期的に住宅供給を倍増させることが可能となる。BOCIは反対意見があることに言及しながらも、香港政府が土地供給の拡大と公共住宅の建設加速に向け、最良の方法を取ることは妥当だとみている。

 一方、中国の建設最大手である中国建築(601668)を親会社に持つ同社は、住宅・インフラの有力建設事業者であり、住宅以上に、インフラ建設事業が主力。BOCIは同社が公共住宅、インフラ建設において重要な役割を担うだけの十分な競争力を持ち、そのための準備も万全だと指摘している。

 BOCIによると、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因は、本土事業の売上構成比が19年上期に48.6%に達したこと。決算通貨が香港ドルであるため、元安局面では為替差損の発生につながる。

 同社の現在株価は19年予想PERで7.3倍。BOCIは利益見通しと目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。