1.足元の米国株式市場の動向
足元の米国株式相場は、8月の下落局面を抜け出しましたが、史上最高値を更新する目前でもみ合う展開が続いています(2019年9月23日時点)。米中貿易戦争の行方にまだ不透明感が強いことを考慮すると、当面、指数は小動きの展開になると予想されます。投資家が一段の買いを入れるには、米国経済指標でポジティブサプライズが続くなどの新しい材料が必要と考えられます。
直近3カ月間のS&P500指数の推移(2019年9月23日まで)
2.今週の投資戦略
セクターローテーション上も動きが出づらい状況です。足元では、一部の投資家の間で景気の先行きに対する楽観論が広がり、バリュー株が見直されていましたが、その勢いはやや鈍化しています。米中貿易戦争や、それをきっかけにしたリセッションへの懸念が繰り返される中で、持続的なセクタートレンドが形成しづらい状況と考えられます。
S&P500のバリュー指数とグロース指数の推移
期間:2019年9月3日~9月23日
※9月3日を100とする
こうした相場では、足元で株価が低迷している優良株を個別に拾っておくべきと考えられます。優良株の定義は、展開する市場で高いシェアを構築しており、その市場に成長余地があることとします。
3.注目銘柄5選
具体的には、アドビ(ADBE)、ビザ(V)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)に注目しています。この3社については、それぞれの市場で大きなシェアをすでに確保しており、その市場自体にも成長余地があるとみられるため、長期的に業績が拡大する可能性が高いと考えられます。
アドビの株価推移(単位:ドル)
株価は2019年9月23日終値時点まで。
アドビ:写真加工・編集の「Photoshop」、図版・イラスト作成の「Illustrator」、PDF作成の「Adobe Acrobat」などのソフトを世界的に展開するソフトウェアメーカー。
ビザの株価推移(単位:ドル)
株価は2019年9月23日終値時点まで。
ビザ:クレジットカードの国際ブランド。クレジットカードの決済システムを管理。
アマゾン・ドット・コムの株価推移(単位:ドル)
株価は2019年9月23日終値時点まで。
アマゾン・ドット・コム:世界最大級のインターネット通販サイトを運営。
また、足元の株価が下落している状況ではありませんが、牙城を築いているという点ではマイクロソフト(MSFT)とアップル(AAPL)にも注目しています。マイクロソフトは投資家の間で高く評価されており、8月の下落局面でもしっかりと推移しました。直近では増配と自社株買いが好材料になっています。アップルは、サブスクリプション型の動画ストリーミングサービス「Apple TV+」、ゲームの「Apple Arcade」を立ち上げて、「iPhone」などを活用したコンテンツビジネスに領域を拡大しようとしています。
マイクロソフトの株価推移(単位:ドル)
株価は2019年9月23日終値時点まで。
マイクロソフト:OSの「Windows」、オフィスツールの「Microsoft Office」で世界1位のシェアを誇るビジネス向けITサービス企業。
アップルの株価推移(単位:ドル)
株価は2019年9月23日終値時点まで。
アップル:「iPhone」、「iPad」、「Mac」、「Apple Watch」などのインターネット関連製品、デジタル家電製品、および同製品に関連するソフトウェアを開発、販売する。
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