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「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手や小売店、メーカー、輸送業、広告代理店など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。8月の『街角景気』は、足元の景況感を示す現状判断指数(DI)が前月から上昇した一方、先行きを示す先行き判断DIが大きく悪化しました。10月に消費増税を控え、消費への警戒感が強まっているようです。
【ポイント1】現状判断DIは前月比+1.6ポイントの42.8と、4カ月ぶりに上昇
先行き判断DIは▲4.6ポイントの39.7と、14年3月以来の低水準
2019年8月の『街角景気』によると、現状判断DI(季節調整値)は前月比+1.6ポイントの42.8でした。4カ月ぶりに上昇しましたが、水準は18年1月以来、景気判断の節目となる50を下回っています。項目別では、家計動向関連が上昇しました。8月は7月とは異なり高温となったため、アイスなどの売上が伸びたとみられるほか、一部では消費増税の駆け込み需要も出た模様です。一方、雇用関連、企業動向関連は低下しました。
先行き判断DIは前月比▲4.6ポイントの39.7と、前回の消費増税前の14年3月以来となる低水準を記録し、先行きに対する慎重姿勢がうかがえます。項目別では、家計動向関連に含まれる小売関連の落ち込みが特に大きくなっており、10月の消費増税を間近に控え、消費への警戒感が強まっているようです。
【ポイント2】現状のコメントは「節約」「不安」が高水準
先行きは「消費税」「増税」が増加継続
街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、ウォッチャーの現状判断に関するコメントにおける単語の使用数は、引き続き「節約」や「不安」にかかわる用語が高水準で推移しています。
先行き判断についても、「節約」や「不安」にかかわる用語が高水準で推移しているほか、「消費税」や「増税」といった用語の増加が継続しており、消費増税への関心の高まりがうかがえます。
(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な例として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後にある有益な情報を探ることができます。
【今後の展開】“回復”に弱い動き、今後の実際の消費動向に注目
内閣府は『街角景気』について、「このところ回復に弱い動きがみられる。先行きについては、消費税率引上げや海外情勢等に対する懸念がみられる」と、天候要因への言及を削除したほかは、見方を前月から維持しました。8月の『街角景気』は、現状判断が改善したものの、傾向としてはさえない動きが続いている中で、先行き判断が大きく悪化しました。軽減税率の適用や政府の景気対策などを踏まえ、10月からの消費増税の影響は短期的には小さくなる可能性も指摘される中、今後の実際の消費動向が注目されます。
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