本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは107.62

下値メドは106.18

今朝の天気マークは「くもり」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

パウエルFRB議長、
米経済に対する前向きな見通しを維持

 8月の米雇用統計は弱い結果でした。とはいえ弱さ一辺倒というわけではなく、全体としては強弱入り混じる内容。指標発表後のドル/円は、非農業部門雇用者数の少なさに106.62円まで売られましたが、労働賃金が伸びていたことですぐに下げ止まり、その後は徐々に戻して引けました。

 米労働省が先週金曜日(9月6日)に発表した8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が+13.0万人の増加にとどまり、予想(+15.8万人)、前月比ともに下回る結果となりました。さらに7月分については+16.4万人から+15.9万人に下方修正。修正後の数値は雇用市場の実態をより正確に表しています。ここ最近連続している下方修正は、雇用市場の勢いが失われているサインといえます。

 一方で、平均労働賃金の前月比は+0.4%と今年2月以来で最大の伸びを示しました。前年比も予想を上回る+3.2%に上昇。さらに7月は3.3%に上方修正。労働参加率は63.2%に上昇しました。また失業率は3.7%で前月比横ばい。

 この日パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は講演を行いましたが、貿易問題や製造業の弱さを認識しながらも、米経済に対する前向きな見通しを維持しました。これは重要なことで、先週発表された8月製造業ISMが50を下回って以来マーケットに広がっていた米景気の後退不安を鎮めることになりました。

 パウエルFRB議長が思っていたほど弱気に傾いていないということで、9月FOMC(米連邦公開市場委員会)に対するマーケットのメインシナリオは、「(50bpではなく)25bp利下げ」になりつつあるようです。

毎ヨミ!FXトップニュース

6日ドル/円のNY市場の終値は106.92円

 5日の終値に比べ0.03円のドル安/円高だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。

今日の格言:

「失敗したくない」と思うと、直感力は鈍り、むしろ間違った判断をしてしまいやすくなります。
「失敗しても大丈夫」と鷹揚に構えていれば、直感力を活かしてよりよい判断をしやすくなります。

各国・各通貨トピックス

ドル:
    8月雇用統計 非農業部門雇用者数 +13.0万人(前回+15.9万人)
    8月雇用統計 失業率3.7%(前回3.7%)
    8月雇用統計 平均時給 前月比+0.4%(前回+0.3%)
    パウエルFRB議長「米景気、下方リスクあるが、好調続いている」
    パウエルFRB議長「消費は堅調。製造業、貿易に弱さ」
    パウエルFRB議長「景気支えるために持てるツールを使って支援」
    トランプ大統領、ハリケーンの脅威高まる中でゴルフ

NY株式市場:
    先週のダウ平均+1.49%、S&P+1.79%、ナスダック+1.76%、2週上昇
    年初来ではダウ平均+14.88%、S&P+18.82%、ナスダック+22.12%

中国人民元:
    中国人民銀行、RRR(預金準備率)を0.5%引き下げ
    香港に非常事態宣言する権限を保有 中国が警告
    中国自動車市場が大幅減速「(質の高い)日系車しか売れない」

カナダドル:
    8月雇用統計 新規雇用者数8.11万人(前回▲2.42万人)
    8月雇用統計 失業率5.7%(前回5.7%)

ロシアルーブル:
    ロシア中銀、政策金利を7.00%に利下げ

主要指標終値

出所:楽天証券が作成

本日の注目通貨

ドル/円:107円に注目

 ドル/円一段上昇の最初の条件は、107円台にしっかり居残ること。これができたら109円まで進むチャンスが増えてくるでしょう。ただ107円はワンタッチするだけでは不十分で、しっかり値固めする必要があります。

 反対に106.50円を下抜けると円高方向の勢いが盛り返しそうです。下方向のリスクは105.70円、その次は104.45円。

 9月第一週は、マーケットのセンチメントが悲観(米製造業ISMが50割れ)から楽観(米中貿易協議の再開)へと大きく変化したことに合わせてドル/円も105円台から一時107円台まで円安に動きました。

 9月の高値は107.23円(9月5日)、安値は105.74円(9月3日)。高値と安値の差は1.49円。高値と安値の50%は106.48円になります。先月8月の高値と安値の半値(50%)は106.88円。

 106.50円と107.00円、どちらの方向に抜けるかを注意して追いたいと思います。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

トレード前に必ずチェック!今週発表の重要指標!

ECB政策金利、ドラギ総裁記者会見、米CPI、米小売売上高 など

経済指標過去データは楽天証券サイトにてご確認ください。 出所:楽天証券作成

◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。


※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。