19年中間期に4%増益も低バリュエーション際立つ、ROE改善が課題か
現地コード | 銘柄名 |
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00857 |
中国石油天然気 (ペトロチャイナ) |
株価 | 情報種類 |
3.75HKD |
株価 企業情報 チャート |
ペトロチャイナの19年6月中間期の純利益は前年同期比4%増の284億元と、BOCIの予想を3%上回った。市場は同社の低ROEに不満を抱いている上に、国有パイプライン運営会社「国家油気管網公司」の新設がマイナス影響を及ぼすと警戒しているが、BOCIはこうした要因を考慮しても、同社H株があまりに過小評価されているとの見方。目標株価を小幅に引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
19年中間期には、石油の実勢販売価格が前年同期比4%低下したにもかかわらず、石油探査・生産(E&P)部門の営業利益が同79%増の536億元を記録した(国際会計基準)。石油・ガス生産量の増加やコスト低減、社内精製部門との決済価格の変更などが理由。供給過剰と競争激化を背景とした石油精製部門、化学部門、石油販売部門の同43-93%の減益を、E&P部門の増益がカバーする形となった。
BOCIは19年下期の石油平均販売価格について、ほぼ上期並みを予想。下期の同社利益に関しても、上期からほぼ横ばいを見込む。精製、化学、販売部門の苦戦が続く半面、E&P部門ではコスト削減効果が続くとみている。
中国政府はペトロチャイナを含む国内石油メジャー3社の油ガス輸送パイプラインを引き継ぐ新会社、「国家油気管網公司」を設立する計画。BOCIは7月時点で、新会社の発足に伴い、ペトロチャイナの現有パイプライン資産の保有権益比率が50%(104億元)に縮小すると想定。その上で、同社利益が18年ベースで72億元目減りするとの分析結果を明らかにした。この数字は非常に大きいものの、ひとまず許容範囲内。BOCIは分析に当たり、新会社に組み込まれるその他資産の利益を加味しておらず、ペトロチャイナへの実際のインパクトはこれほど大きくならない可能性もあると付け加えている。
H株の現在株価は19年予想PBRでわずか0.5倍と低水準にある。その一因は、市場がROEの過度の低さを嫌っていること。この問題に取り組む同社は、19年上期に販売費及び一般管理費(SG&A)を12%削減し、まずは初期的な成果を挙げた。
BOCIは中間決算発表を受け、19年の予想コアEPSを0.7%減額する半面、20年、21年に関しては2.7%、5.7%増額修正した。同時に、STOP(サムオブザパーツ)方式に基づく1株当たり予想NAV(純資産価値)を7.17HKドルから7.08HKドルに引き下げたが、これは向こう数年の利益成長が、かなりの部分でE&P部門の償却費削減に依存するとみられるため。これに伴い、H株目標株価をやや引き下げながらも、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。同社A株に関しても、AH価格差をベースに目標株価を小幅に引き下げ、同じく強気見通しを据え置いている。一方、レーティング引き下げにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、原油急落リスクのほかに、「国家油気管網公司」の新設による打撃が予想を上回る可能性を挙げている。
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