19年中間決算は予想通り、航空需要の伸びで長期成長を楽観

現地コード 銘柄名
00696

中国民航信息網絡

(トラベルスカイ・テクノロジー)

株価 情報種類

 15.52HKD
(8/30現在)

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 トラベルスカイ・テクノロジーの19年6月中間決算はほぼBOCIの予想通りの内容となり、売上高は前年同期比9.2%増の38億4,430万元と、予想を0.3%上回った。営業費用は12.2%増加し、営業利益は5.0%増と、予想から0.4%上振れ。営業利益率は1.6ポイントダウンした。また、中間期の純利益は5.6%増の14億2,300万元と、BOCIの予想を0.8%上回る数字となった。BOCIは中間決算を踏まえ、業務量やコストに関する見通しを据え置き、同社の予想純利益を維持。航空券予約・発券や空港での旅客処理といったITサービスを担う同社のビジネスモデルは安泰とし、その関連ビジネスも成長軌道にあると前向きに評価している。また、長期にわたる中国の旅行ブームを背景とした利益成長の持続を予想。DCF(ディカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を維持し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 中間期には主力の航空ITサービス部門の売上高が8.9%増の22億2,400万元に達した。元安効果で外国航空会社向け業務の人民元建てASP(平均販売価格)が上向き、航空券予約件数の増加率(7.8%増)を上回る増収率となった。一方、国内航空会社向けのASPは数量割引などの影響で、引き続き下降トレンド。国内、海外航空会社向けの予約件数は、それぞれ前年同期比7.7%、9.6%の伸びだった。システムインテグレーションサービス部門も好調で、24%の増収。空港との契約プロジェクトの増加が寄与した。

 営業利益率は上期に40.4%と、前年同期比1.6ポイント低下したが、これは主にIFRS(国際会計基準)の新規定への対応に伴い、減価償却費が38.4%増大したためで、ほかに人件費の17.9%増なども響いた。ただ、BOCIは19年通期の営業利益率について、前年並みを維持するとの見方だ。18年には新たな営業センター向けのコスト増に加え、手数料・販促費用がかさみ、営業利益率が前年比5.7ポイント低下したが、その費用増の大半が下期に発生したという経緯があった。一方、19年には新営業センター設立による影響が縮小しつつあり、上期の手数料・販促費用も前年同期比でわずか6.4%増。BOCIは同社がコスト管理を強化したと受け止めている。また、今後は人件費を含むその他コストが売上高と足並みを揃え、適正ペースで増加するとみている。

 19年上期の設備投資は3億7,700万元で、うち60%が新規の営業センター増設に振り向けられた。経営陣は通期の設備投資計画を23億5,700万元とし、主にコンピュータシステムのアップグレードなどに用いるとしている。

 BOCIが設定した目標株価は、DCF方式に基づいて算出した1株当たり予想NAV(純資産価値)に対して1%のディスカウント水準であり、19年予想PER換算では24倍に相当する。ディスカウントを設定したのは、利益率悪化リスクを反映したため。同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。