今週の予想
リバウンドの継続が期待されるが、後半は米雇用統計を控え様子見へ
9月半ばの17~18日はFOMC(米連邦公開市場委員会)があります。それまでは米国の経済指標を見ながら9月利下げの示唆を探ることになり、今週は堅調な動きが継続しても、週末6日(金)の8月雇用統計発表を控えて、様子見となりそうです。
日経平均株価は現在の売買代金、出来高では上値は重く2万1,000円台を突破するには市場ボリュームの増加が必要です。
注意しなければならないのは、米中通商協議の先行き不透明感が晴れないことであり、また、世界の景気にマーケットが敏感になっているので、各国の経済指標や金融政策に注意が必要です。上昇が継続したとしても、あくまでもリバウンドと考え、新規買いではなく、これまで買っていたものを利益確定するチャンスと考えた方がよいでしょう。日経平均が予想以上に上昇(例えば2万1,000円を超えて2万1,500円)したら、むしろカラ売りを考えていいかもしれません。
(今週の指標)日経平均株価
米中通商協議の再開への期待が膨らみ、米株価の上昇とドルの買い戻しが継続すれば、日経平均は、まず2万1,000円に向けてリバウンドが期待されます。
先週、NYダウ平均株価の短期の買い転換に続いて、日経平均も買い転換となっており、短期的にはリバウンド継続の可能性は高いと言えます。買い転換といってもチャートを見ると、三尊天井の後の下落からの戻りであり、上値は2万1,000~2万1,500円は厚い上値抵抗ゾーンとなっており、この戻りはNYダウの上昇と、円安の進む程度に左右されます。
今週、週前半は堅調で、週末は8月米雇用統計を控え、様子見となりそうです。
(今週の指標)NYダウ平均株価
今週は、先週後半に9月上旬にも米中通商交渉の再開期待で株価は上昇し、NYダウは短期的な買い転換の形となりました。
9月17~18日のFOMCを控え、何らかの示唆を得られれば株価のサポート要因となります。また米中通商交渉の期待が高まれば2万7,000ドルを試すことになりそうです。
(今週の指標)ドル/円
今週は、先週の後半に米中通商協議への期待からドルが反転。1ドル=104円台から106円台へとドル高・円安へと進みました。
過度の警戒感による円買いは後退した結果ですが、ここから上は、目先的に低調な経済指標を受けて、FOMCで9月利下げを織り込むドル売りが出やすくなるので、ドルは上げ渋りとなりそうです。1ドル=105~107円のレンジを想定しています。
先週の結果
先週は、週始めに2万173円をつけて米株にサポートされ週末は2万704円で引ける
先週の予測では、米中貿易戦争がさらに悪化しなければ下値は2万200円水準にして、荒い動きになる可能性を想定しました。
特に前週にトランプ米大統領が中国からの米企業の撤退や生産移転を検討するよう指示したことで、米中貿易戦争の一段の悪化も考えられました。
ところが、G7サミット(主要7カ国首脳会議)後の記者会見で、トランプ大統領が中国が交渉のテーブルに戻る用意があると発言すると米中貿易摩擦の懸念が後退し、株価は大幅上昇。
その後、一服入れるも米経済指標の好調さも加わって株価は上昇が継続し、29日(木)は、9月にも米中交渉への期待が高まり、NYダウは+326ドルの2万6,362ドルとなって、チャート上で短期の買い転換となりました。
このNYダウの動きを背景に日経平均は26日(月)こそ先週末の米中貿易戦争の激化懸念から(前週末のNYダウは▲623ドルの2万5,628ドル)、一時、▲537円の2万173円まで下落して終値は▲449円となりましたが、その後は、米株式に合わせて緩やかな上昇基調が続き、週末の30日(金)は、為替が1ドル=106円台前半となったこともあり、+243円の2万704円となって日経平均にも、チャート上で短期の買い転換が出現しました。
8月26日(月):先週末の米株の大幅下落を受け、▲385円の2万325円で寄り付き、一時▲537円の2万173円まで下落するものの、2万200円を割ると下げ渋る動きとなって、▲449円の2万261円と3日ぶりの大幅反落となりました。
27日(火):前日の米国市場で米中通商協議の再開期待が高まり、主要3指標が大幅高となったことで、日経平均は+206円の2万467円で寄り付き、+268円の2万529円まで上昇するものの上値重く、+195円の2万456円の反発で引けました。
28日(水):前日の米国市場では米10年債と2年債の逆イールドが拡大して景気後退の懸念が高まり、3指標そろって反落となったものの、日経平均は+18円の2万474円で寄り付き、方向感のない展開となって狭い幅でもみ合いが続き、+23円の2万479円と小幅に続伸しました。
29日(木):前日の米株高を受けて+21円の2万500円と買い先行で始まるものの、買い手掛かり難の中、戻り待ちの売りに上値重く、時間外での米株価先物の下落にツレ安し、一時▲118円の2万361円まで下げました。しかし、後場になるとETF(上場投資信託)買い期待で下げ幅を縮小し、終値は▲18円の2万460円と3日ぶりに小反落となりました。
引け後の米国市場は、中国が対中制裁関税引き上げに対して直ちに報復しないとした他、9月にも米国代表と再会するとしたことで貿易戦争懸念が和らぎ、個人消費の4-6月期改定値が上方修正されたことで、米債利回りが上昇し、主要3指標そろって大幅上昇となりました。
30日(金):29日に発表された指標を受けて日本市場は、売り方の買い戻しを誘って+180円の2万641円で寄り付き、+287円の2万748円まで上昇して+243円の2万704円と大幅反発で引けました。
日本市場の引け後の30日(金)の米国市場は、米中貿易戦争の落ち着きの期待が続いたものの、週末と月末取引に加え、翌週、月曜日がレーバーデー(労働者の日)で3連休となることから積極的な取引は手控えられ、まちまちの動きとなりました。
NYダウは朝方、+152ドルまで上昇するものの、その後は▲66ドルまで下落し、終値は+41ドルの2万6,403ドルでした。為替は1ドル=106円台前半で落ち着いており、シカゴの日経先物は▲35円の2万655円でした。
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