2019年10月1日、消費税率が10%に引き上げられました

 消費者としてはできれば避けたい消費税の増税。2014年4月1日に5%から8%に引き上げられた消費税ですが、今回は8%から10%と、さらに引き上げられました。日本では、平均年収が下降傾向にある一方、税金などは上昇しており、危機感を抱く人は多いかもしれません。

 この特集では、みなさまが今回の増税をかしこく乗り切るために、ファイナンシャルプランナー風呂内先生監修のもと、ポイントを分かりやすく解説します。(※注1)

※注1 本ページの情報は、2019年7月11日(木)10:00時点の情報を元に作成しております。

「軽減税率」を正しく理解しましょう!

 過去の増税との違いは軽減税率の導入です。軽減税率は、特定商品の税率を8%に据え置くもので、対象は飲食料品となります。簡単に言うと「中食・自炊」は8%、「外食・酒類」は10%になりますが、中にはテイクアウトとイートインで税率が違うなど、判断に迷う場合もあります。では、詳細を見てみましょう。

軽減税率の対象となる品目

Q.8%と10%の境目とは?
A.「商品分類」「サービス」「外食」の3つで判断

 判断に迷う場合は「商品分類」「サービス」「外食」の3つで見極めましょう。
 例えば、「本みりん」は酒類に分類されるため10%。一方で「みりん風調味料」は酒類には分類されず8%となります。
 また、サービスや外食に該当する場合は10%。「コンビニなどでのイートイン」は、飲食スペースの提供がサービスと言えるため、外食と捉えられ新税率の10%が適用されます。

Q.食品とセットで売られている商品の税率はどうなるの?
A.セット価格が「1万円以下」で「食品の価値が2/3以上」のものは8%

 軽減税率対象の食品と他の商品がセットになった「一体型商品」はどうでしょうか?例えば、敬老の日や母の日などにスイーツと花のセット商品を購入する際、「セット価格が1万円(税抜)以下」「販売価格(税抜)のうち食品の価値が2/3以上」の場合は、軽減税率の対象となり8%に据え置きとなります。

 

軽減税率が適用される一体型商品の条件とは?

条件1 一体型商品は、軽減税率は適用される食品(酒類を除く)と、食品以外の商品がセットで販売されるもの

条件2 セット販売価格が1万円(税抜)以下である

条件3 セット販売価格内の食品の価値が2/3以上である

消費税増税で気を付けたいこと

 増税前のお買い物は、いくつか気を付けたいポイントがあります。

 例えば、9月中に注文しても新税率10%が適用されるケースや、価格が変動しやすいため、増税前に買うのが必ずしもお得とは言えないケースも。ここからは、増税前のお買い物の注意点を紹介します。

Q.9月30日までに買えば税率は8%?
A.商品の「出荷日」にご注意を!

 ネット通販で商品を販売することは、消費税法上では資産の譲渡にあたり、消費税は資産を引き渡したタイミングで発生します。そのため、注文日が増税直前の9月30日以前でも、商品の発送が10月1日以降となった場合は、消費税の計上は増税後となり、10%が適用されます。既に購入したい品が決まっている方は、日数に余裕をもって早めに注文するのがおすすめです。

Q.消費税増税はどこまで適用される?
A.そもそも課税されないものもあります

 今回の増税は、家計のどの項目まで影響するのかを把握することも重要です。というのも、そもそも消費税がかからない費目もあるからです。 例えば、住宅としての家賃や、土地の購入、保険、そしてフリマアプリなどの個人間取引は、消費税非課税です。

 

増税をかしこく乗り切るために

 増税のタイミングで損をするのは、不要不急の買い物をしてしまう場合。例えば、使用期限の短いものを大量に買い溜めし、使い切れずに廃棄してしまうのはもったいないですよね。

 しかし、このタイミングだからこそお得に購入できる、「いまが買い時」の商品もあります。

Q.増税前に買うべきものの見極め方は?
A.買うべきは、長く使えて価格が安定したもの!

 増税前に買うなら、長く使えて価格が安定したものがおすすめです。例えば、宝石・高級腕時計・化粧品などが挙げられます。
 また、例年10月は洗濯機・エアコン・冷蔵庫など、白物家電の新モデル発売時期と重なる場合があります。増税前にあたる7~9月は、旧モデルを安く購入できることもあるでしょう。

増税前に購入された人気の商品は?

2014年の消費税増税時に売れたランキングTOP10

 消費税が改正される前の8%のあいだに、いろいろと買い物をしておきたい!と、お考えの方も多いのではないでしょうか?そこで、増税前に何を買うか検討されている方のために、前回2014年の消費税増税時に楽天市場で何が売れたのか、ランキングTOP10を紹介します。高単価な家電・PCや、まとめ買い用に日用品などがランクインしていました。(※注2)

※注2 楽天市場での2014年1月~3月の売上金額が、2013年1月~3月の売上金額を上回ったカテゴリーのTOP10。ただし軽減税率の対象となる飲食料品は除きます。

 

 

2014年の消費税増税時に売れた“意外”な商品

 ランキングTOP10以外にも、意外な商品が売れていました。防災関連グッズ・弁当箱など、長く使える商品が人気だったようです。増税前に何を購入すべきか気になる方は、こちらも要チェックです!(※注3)

※注3 楽天市場での2014年1月~3月の売上金額昨年対比が、全体の昨年対比平均よりも高いカテゴリー。ただし軽減税率の対象となる飲食料品は除きます。

 

記事提供元:楽天市場「かしこく・らくらく消費税増税対策

 

消費税増税シミュレーション」で、出費がいくら増えるか確認もできる

 

このガイドを監修してくれたのは

ファイナンシャルプランナー
風呂内 亜矢(ふろうち あや)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。
家計管理術や共通ポイントに詳しく、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く活躍中。著書に「ほったらかしでもなぜか貯まる!」(主婦の友社)、「その節約はキケンです」(祥伝社)ほか。

※風呂内亜矢先生に監修いただいたのは、本ページの「ココさえ押さえればOK!消費税増税ガイド」部分となります。
同ページの「増税前に購入された人気の商品は?」については、2014年消費税増税時の楽天市場の購買データをもとに、楽天市場担当者が記載しております。

注意事項

※本ページの情報は、2019年10月に消費税が改正されると想定した上で、2019年7月11日(木)10:00時点の情報を元に作成しております。掲載している情報は変更となる可能性があります。
※最新の情報は以下よりご確認ください。
国税庁
財務省
※軽減税率が適用される商品などは、消費税改正前後で販売価格が変わらない可能性があります。本ページの情報は、消費税改正前のお買い物が、消費税改正後のお買い物よりも安く購入できることを保証するものではありません。