19年中間決算は実質34%増益、主力の「TPIAO」が好調維持

現地コード 銘柄名
01530

三生製薬

(スリーエスバイオ)

株価 情報種類

 12.32HKD
(8/23現在)

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 三生製薬の19年6月中間決算は、売上高が前年同期比21.6%増の26億4,300万元、純利益が同37.5%減の3億2,100万元だった。一回性の費用や非中核項目を除いた経常ベースの純利益は同34.1%増の7億5,200万元。がん化学療法などに用いられる主力の「特比澳TPIAO」が高成長を維持したことが寄与した。ただ、経営陣は今回、もう一つの主力製品である関節リウマチ治療薬「益賽普Yisaipu」について、19年の売り上げ見通しを前年比約10%増へ下方修正している。BOCIは約3億4,000万元に上る一回性費用の計上や販管費・研究開発(R&D)費の増大見通しを反映させる形で、19-21年の予想純利益を17%、1%、5%減額修正。これに伴い目標株価を引き下げながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 19年上期の粗利益は前年同期比25.1%増の21億8,500万元で、粗利益率は前年同期を2.3ポイント、前期を1.3ポイント上回る82.7%に達した。主に製品構成の改善によるもの。一方、3億4,000万元に上るストックオプション関連支出(17年2月に実施したストックオプションおよび子会社・三生国健によるインセンティブ=ESOP絡みの費用)が響き、管理費は前年同期の1億3,400万元から4億8,100元に急増した。R&D費は48%増の2億6,400万元で、うち5,400万元を進展中のプロジェクトの買収に投じた。

 上期の製品別売上高を見ると、TPIAO、Yisaipu、EPO(エリスロポエチン)がそれぞれ前年同期比42%増の11億9,400万元、同13%増の5億100万元、6%増の4億5,200万元。この3品目が売り上げ全体に占める割合は81%と、前年同期の79%からさらに上向いた。

 経営陣はTPIAOの19年通期売り上げが前年比40%増を達成する見通しを示しながらも、Yisaipuに関しては「15%増」との従来予想を「10%増」に下方修正した。製品形態の移行の過渡期に当たるため。今後は19年7-9月、20年上期、20年10-12月期に順次、「Xenopax」(抗CD25 mAb)、「Inetetamab」(Her2 MAb)、Yisaipuペン型注入器を発売する予定となっている。

 一方、19年版の「基本医療保険適用医薬品リスト」(NRDL:基本医療保険制度の適用対象となる医薬品リスト)の通常リストにおいては、同社製品の適応症2件と製品1種が新たに登録された。ほかにヒューマリンNPHが乙類(クラスB)から甲類(A)に再分類されている。

 BOCIは「Yisaipu」の予想収入の下方修正や販管費とR&D費の増大見通しを反映させた上で、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き下げた。新たな目標株価は19年予想PER30倍、20年予想PERで21倍相当となる(希薄化後EPSベース)。