気になるあの本をチェック!
「会社四季報」業界地図 2020年版
答えてくれた人
業界地図編集部長 兼 『会社四季報 業界地図』編集長 筑紫祐二さん
編集部ってどんなところ?
▼業界地図編集部
東洋経済では、記者が上場企業や業界ごとに割り振られ、日々、業界の動きをウォッチしているだけでなく、毎四半期の決算ごとに上場企業に取材をかけています。その四季報記者が取材をしてきた1年間の総決算として、各業界について将来展望や足元の課題、注目のキーワードなどをわかりやすく解説しています。
どんな人にオススメ?
どんな方が読まれても必ず「こっ、この企業は!」と思う発見ができる本ですが、特に株式初心者の方におススメします。就活でもそうですが、おそらく投資初心者の方がご存知の企業はコマーシャルを多く流しているとか、街でよくみかけるなど、慣れ親しんだ企業が多いのでは。
もちろん、ウォーレン・バフェットのように自分が理解できないビジネスには投資しない、知らない企業には投資しないという方針も重要でしょう。しかし、日本企業の多くはBtoBのビジネスを行っています。しかもそこには「半導体シリコンウェハーで世界最大手」「ミニショベルのパイオニアで、過去5年間で売上高2倍、営業利益10倍」といったすごい企業がひしめいているのです。
ただ、それらの企業を、手探りで闇雲に探してもなかなか見つけることは困難です。そこで“夢先案内人“となるのが、この業界地図なのです。
この本の、ここが読みどころ!
目次から気になる業界をみつけてそこから読む、ぱっとランダムに開いた業界を読むなど、どこから読んでも損はありません。
ただ、もしアナタが投資初心者なら、まずは最初のページから最後まで斜め読みをしてください。1回目は精読しなくとも大丈夫。ざっと読みの中で気になる業界があれば、そのページの角を折っておいてください。最後まで読み終わったら、角を折ったページをじっくり眺めてみましょう。
気をつける点があるとすれば、業界名の下にある、四季報記者が6種類の天気マークで業界の動向を予測している「天気予想」です。業界天気が快方に向かっている企業があれば要チェック。余談となりますが、某不動産の営業員は、天気が回復傾向に向かっている業界の企業に営業をかけているそうです。そうするとかなりの確率で、増床を考えている企業に当たるのだそうです…。
また、欄外下にある「注目の○○」。ここに取り上げた企業はその後、株価が大きく動くことが多いようです。ほかにも「もうけの仕組み」や「チェックポイント」など、見どころを紹介し始めると止まりません(もっと紙幅を)。とにかく現物を1度、ご覧ください。
編集者の制作秘話
企業の資本提携や合併破談など、日々、常に起こっているのですが、2020年版では編集後半、7、8月に特にそうした動きが活発だったように感じます。たとえば、セブン・ペイがサービス開始1カ月で廃止を決定したり、一般消費者向け通販のLOHACOをめぐってアスクルとヤフーの対立が突如、表面化したりなどなど...。
そのたびにセブン₋イレブンが出てくる業界はどのページだ? この業界にセブン₋イレブンはいるが、セブン・ペイは関係ない! など小パニック。すでに印刷所に入った原稿をストップして修正(デザイナーさん、印刷所のみなさん、ご迷惑をおかけしました)するなど、アドレナリン出まくりでした。
あと内容には直接、関係ないのですが、「就活時に持ち歩くのに重すぎる」というご批判を受け、紙質を見直し、2020年版では2019年版に比べ、80グラム軽くしました。実際に手に取って、その差を実感していただければ幸甚です。
本の中身をちょっとだけチェック!
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。