執筆者:林良祐
(株)アイ・パートナーズフィナンシャル所属外務員。

 証券会社を退職後、ファイナンシャルプランナーとして、資産形成のアドバイスを行っている私も、「ポイント投資」を活用中です。

 投資初心者の人も始めやすい「ポイント投資」ですが、今回は、なかなか始められない方へ実際に行っているポイント投資術や現段階の結果報告(!)をお伝えします。

ポイント投資を始めた理由 

 日常の支払いは、クレジットカードがメイン。そのため、ポイントは自動的に貯まります。ですが、使い道に困る(ポイントを使うための無駄な出費をしてしまう)ので、ポイントは投資に使う、と決めています。

投資信託は何を買う?

 さまざまな会社が、ポイント投資を取り扱っていますが、多くは「投資信託(とうししんたく)」という商品を通じたものです。

 投資信託は、種類が多く悩みますが、過去のパフォーマンスが良く、投資対象が広範囲で分散できるインデックス型の投資信託を選ぶとよいと思います。私の場合、「MSCIコクサイインデックス」を投資対象としている先進国インデックスファンド「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」を選んでいます。買付手数料がないことも魅力です。

 商品の分散などもせず、一つに絞り、長期投資で運用しています。
 上記商品以外では、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」などもよいと思います。

いつ買う?

 2つの買付方法を組み合わせて行っています。

1. 貯まったポイントで月末に買付
 毎月末に貯まったポイントで上記の投資信託を買っています。
 このタイミングにしている理由は単純に分かりやすいからです。ポイント自体が少額なので、購入タイミングを細かく吟味しても効果が薄いです。投資する期間の長さを味方につける投資方法であるため、タイミングは気にせず月末に購入しています。 

2. クレジット決済で投資信託を積み立て
 さらに、ポイントだけでは少額なのでもう少し余裕のある方にオススメなのがこの方法。ポイント投資と同じファンドを楽天カードのクレジット決済で、月5万円自動積み立て設定もしています。

 楽天証券では、投資信託がクレジットカードで購入できるので、5万円分の投資信託を購入すると、500ポイントが還元されます。

 1年間のポイント投資の結果発表!

 1年間(7月30日現在)の投資額は83万3,000円。そこに5万6,400円の利益が出ています(6.7%) !!!
  もともとクレジットカード決済のポイント還元があり、毎月500ポイントお得になっていますので、それを入れるとさらに6,000ポイントの利益になります(合わせて7.5%)!!!

 まだ1年と期間が短いですが、当初の想定通りのパフォーマンスが出ています。

ほったらかし投資で利益を増やす

 積立投資は長期になればなるほど効果が出てきます。30年といわず、健康でいられる限りはずっとこのサイクルを続けていくつもりです。長期投資をすれば、複利の効果(利益分を次の投資にまわす)こともできるので、資産が大きくなりやすいです。
 今後については、以下のようなシミュレーションをしています。

 上記のように月5万2,000円(ポイント込み)をMSCIコクサイの30年の平均パフォーマンスである8.2%の利回りで30年間、毎月積み立てていきます。

 そうすると、30年後には元本が1,872万円、運用収益が約6,200万円、総額が8,000万円を超えてくることになります。8,000万円あれば老後の2,000万円など怖くありません。

ポイントのみでいくら貯まるか  

 皆さんの中には、月5万円も投資に回したくないという意見も多いと思います。そこで、クレジット決済による定期買付はせず、ポイント投資のみで30年続けた際のシミュレーションをしてみます。 

 買い物などで貯まった2,000ポイントを毎月ポイント投資します。
MSCIコクサイの30年の平均パフォーマンスである8.2%の利回りを想定し、30年間、毎月積み立てします。
結果は以下のようになります。

・投資に回した総ポイント金額 72万円
・増えた利益 238万円
・総額 310万円

 月2,000ポイントの投資のみでも30年後には310万円貯まることが分かります。ポイントをコツコツ投資するだけで300万円貯まるというのは夢があります。 

まだポイント投資をやっていない方へ

 投資は続けることが一番難しいです。
 資金に余裕がなくなってしまったり、下落相場で心が折れてしまったり。私も過去に中断してしまった経験があります。
 ポイント投資という方法を使うと、無理なく続けることが出来ます。5年10年と続けることで大きな果実となります。 

「もらえたポイントだし、いいか」といった気持ちで、市況環境に一喜一憂せずに、コツコツと積立投資を行っていただきたいと思います。
 後からきっと、「あのとき設定しておいてよかった」と感じるのではないでしょうか。 

林良祐
(株)アイ・パートナーズフィナンシャル所属外務員。SMBC日興証券会社に7年勤め、IFAとして独立。
現在は、資産形成のためアドバイスを行う