前日(9月6日)の市況サマリー

ドル/円:ドルに明るい材料で、買戻し入る

 地政学リスクの警戒感が続く中で、この日もドル/円は売り優勢のスタート。欧州時間に108.63円まで下落して、4営業日連続で安値を更新しました。しかし、NY時間になってトランプ大統領と米議会が債務上限の期限を12月まで延長することに合意したとの報道が伝わると、109.39円まで急速に反発。(チャート1)

 期限延長によって、今月の政府機関の閉鎖という当面の危機は回避できましたが、問題を先送りしただけにしか過ぎず、ドルを悩ませる材料として今後も居座ることになるでしょう。FRB(米連邦準備理事会)のフィッシャー副議長が、健康上の理由で10月中旬に辞任するとの発表がありました。FRBの重鎮であり、またタカ派として知られるフィッシャー副議長がいなくなることで、FOMC(連邦公開市場委員会)は、利上げに対してさらに慎重になるとの見方があります。

 

カナダ:予想外の利上げ!カナダ/円は年初来高値をつける

 カナダ銀行は、大方の予想に反して利上げを実施。政策金利を0.25%引き上げ、1.00%に決定しました。声明では、カナダ経済の先行きに自信を示し、金融緩和政策が不要になったことを表明しました。据え置きを予想していたマーケットはカナダに殺到。カナダ銀行が、最近の通貨高に対して強い警戒を示さなかったこともカナダ買いにつながりました。ドル/カナダは、2015年6月以来の水準まで下落(カナダ高)、カナダ/円は年初来高値を更新しました。(チャート2)

 

ユーロ:今日はECB会合。ドラギ総裁は、量的緩和終了を宣言するか? 

 本日は、今週のハイライトであるECB(欧州中央銀行)会合が開かれます。ECBは、政策金利を現行水準に据え置く予定。一部報道によると、ECBは量的緩和終了に向けていくつかのシナリオを検討しているが、まだ最終案がまとまっていないとのこと。そのため、今回はマーケットが期待している量的緩和の縮小についての発表はなく、仮にあったとしても、具体的な開始時期が示されることはないと思われます。

今日の注目指標

今日は、ECB会合のほかにも、欧州の第2四半期GDP(確定値)の発表があります。また、明日の朝には、日本の貿易収支、そしてGDP(改定値)が発表されます。

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