銘柄選びのバイブル、東洋経済新報社の『会社四季報』には根強いファンがいます(外国人にもファンが多いらしい)。
普段ファイナンシャルプランナーとして銘柄選びのアドバイスを行っている私自身も、四季報愛読者です。四季報を使う理由を以下の6点にまとめました。
四季報の活用術
1.要約された解説記事を前号と読み比べれば、業績の変化を予想しやすく、新規事業への取り組みも分かる
2.会社の利益に貢献している部分、今後の稼ぎ頭がどの部門になりそうかを予想できる
・【連結事業】欄の部門別売上構成比率(セグメント利益率)を参考にします。
・【海外】【輸出】【貿易】欄で為替変動時の株価への影響も予想できます。
3.東洋経済独自の業績予想で、各種指標も簡単に算出できる
・売上高利益率を確認し、同業他社との比較に使っています。
・掲載されているEPS(1株利益)を使えば、二期先のPER(株価収益率)も簡単に算出できます。
※PER(倍)=株価÷EPS(1株利益)
4.【外国人持ち株比率】【浮動株比率】【株主構成】の欄も要チェック
・取引所における外国人の売買シェアが一段と高まっているので、確認しています。
外国人持ち株比率の高い会社は、海外株式市場との連動性が特に高いとみています。
5.自己株買い(株主還元)を予想できる
・【財務】欄の自己資本比率や利益剰余金、並びに【キャッシュフロー】欄を参考にします。
6.年4回の情報が貴重
・多くの企業が3月決算なので、「会社四季報」その名の通り、発売日は3・6・9・12月です(業績予想とその結果を検証します)。
四季報を手に入れるタイミング
金融商品取引法では決算日から45日以内に四半期報告書(有価証券報告書は3カ月以内)の情報開示を求めていますが、取引所は、それよりも少し前に決算短信による情報開示を求めています。
その発表日が、上場企業の決算発表日であり、市場関係者の最大のイベント(多くの関係者は発表時間まで確認しており、その時間になると株価が乱高下する傾向にあります)。
その為、決算発表日の少し前に『会社四季報』を手にすることが重要です。
インサイダー情報がなくなり、市場の透明性が高まるほど、情報開示(決算発表)によるマーケットへのインパクトは大きくなります。つまり、四季報からの情報価値が上がります。
最後に
「会社四季報」は、業績予想が、どうだったか、過去の流れから見てどうか、この先どうなるのか、と銘柄を考えるきっかけをくれる宝庫です。なんとなくスクリーニングをして銘柄を選ぶのもよいですが、自分に合う銘柄を考えてはどうでしょうか。
外国人の売買動向や証券アナリストの作成するレポートに注目が集まりがちですが、応援したい企業を見つけて中長期に投資できる個人投資家こそ、本来マーケットの主役になるべきです。
上場企業を網羅した『会社四季報』で投資家の裾野が広がることを期待しています。
資産運用アドバイザー
IFA 北田雅人
(株)アイ・パートナーズフィナンシャル所属外務員
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