19年下期も増益達成へ、金融緩和下で高配当利回りが魅力

現地コード 銘柄名
00902

華能国際電力

(ファネン・パワー・インターナショナル)

株価 情報種類

 4.58HKD
(8/1現在)

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 華能国際電力は19年6月中間決算発表後の決算説明会で、最新情報や業績見通しを更新した。BOCIは19年下期について、設備稼働時間の下押し圧力を指摘しながらも、前年同期実績の低さや燃料コストの軽減、電力価格の上昇などを理由に、増益を確保すると予想(19年上期は前年同期比1.5%増収、99%増益)。特に世界の中央銀行が利下げに動き始めたこのタイミングでは、同社の高配当利回りの魅力は大きいとした。目標株価を小幅に引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同社経営陣は今のところ、19年通期の稼働状況に対する予測値を据え置いているが、BOCIは下期の正味発電量が前年同期比8.7%減少するとの見方。その理由として、東部沿海地域における電力需要の低迷を指摘した。経営陣によれば、発電量は7月の段階ですでに、前年同月比13%の落ち込みを示したという。それでもBOCIは19年下期の力強い利益成長を見込み、以下の要因を指摘している。【1】前年同期実績の低さ。特に18年7-9月期が低調だった、【2】燃料在庫の増大や石炭生産量の増加に伴い、燃料調達費の軽減が見込まれる、【3】増値税(VAT)減税を背景に、石炭火力発電のVAT抜き電力価格が小幅に上昇(浙江省を除く)。これが市場価格ベースの電力販売部分の比重拡大によるマイナス影響を補う可能性が高い。

 同社は風力発電施設の開発に向け、多額の設備投資を計画しているにもかかわらず、決算説明会の場で、18-20年の配当性向を70%に維持する方針を確認した。国内外で金融緩和が進む中、約6%に上る同社の配当利回りの魅力はこの先さらに増す見込み。さらに、国内の財務費用に関しては金利の低下がプラスとなり、最終利益や配当を支える見通しという。

 BOCIは設備稼働時間数に関する想定値の引き下げに伴い、19-21年の予想売上高を3-4%減額修正し、これに伴い利益見通しを1-8%引き下げた。新たな予想純利益は市場コンセンサス予想を5-8%下回る水準。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づいて目標株価をやや引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを据え置いた。また、この先利上げや預金準備率引き下げが行われるか否かにかかわらず、同社の高配当利回り(19年予想配当利回り5.7%)は長期投資家にとって魅力が大きいとみている。

 一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、BOCIは石炭火力発電の電力価格ベンチマークが予想外に変動する可能性、減損損失が予想以上に膨らむ可能性を挙げている。