猛暑で注目「サマーストック」

 夏には、暑さがメリットになる個別銘柄が動意づくことがあり、株式市場では「サマーストック」と表現されます。猛暑が続くことで想定以上に売れる商品をイメージするのは、それほど難しいことではありません。ビールや飲料水、アイスクリームなどの需要が増え、その関連銘柄に注目が集まるのです。

 具体的な銘柄として「アサヒグループホールディングス(2502・東証1部)」「キリンホールディングス(2503・東証1部)」などのビール株、「コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(2579・東証1部)」「サントリー食品インターナショナル(2587・東証1部)」「伊藤園(2593・東証1部)」などの飲料株が挙げられます。

 もちろん気を付けなければならないこともあります。それは「猛暑が続けば~」という部分です。もともと夏場はこれら企業の書き入れ時であり、ある程度の拡販は織り込み済です。記録的な猛暑が到来しなければ、売上と株価に変化は表れにくく、他方、投資家の関心が他のセクターに強く向いている局面であれば、そう簡単に投資資金は流れてきません。

 そのため、気温の上昇、気象庁などの天候予想、株価の動きを三すくみで見ていくことになります。エアコン、扇風機、日焼け止め、冷却シート、さらには夏物スーツやクールビズ衣料などに関わる銘柄も同様の見方をします。

「レジャー施設関連株」が上昇中

 もうひとつ、夏に書き入れ時となるセクターがあります。それは「レジャー施設関連株」です。現在、子供たちは夏休み真っ最中ですが、多くのファミリーがレジャー施設に足を運んでいます。日本におけるレジャー施設の筆頭といえば、入園者数世界有数の「東京ディズニーランド」「ディズニーシー」です。運営会社の「オリエンタルランド(4661・東証1部)」の株価も入場者動向に左右される傾向があり、同株価は2018年秋以降、ほぼ一本調子に上昇を続けています。

 この他「安・近・短」レジャー施設として「ラウンドワン(4680・東証1部)」も忘れてはならない存在です。同社はボウリング、ゲーム、カラオケ、時間制スポーツの大規模総合施設を全国展開しています。この銘柄も2018年冬辺りから株価が(振幅はありながらも)上昇基調にあります。 

・オリエンタルランドの日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日) 

・ラウンドワンの日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日) 

 よく市場で言われるように、これらの株価が、実態よりも半年から1年先取りした動きをしているのであれば、今年の夏にはレジャー施設を訪れる観光客が(外国人を含め)通年よりも増加すると投資家は見ているのかもしれません。

 この分野のメジャーな銘柄「オリエンタルランド」「ラウンドワン」の株価の動きからはそのように読み取ることもできます。ここでは「レジャー施設株」の中で10万円で投資可能な銘柄を紹介します。いずれも「オリエンタルランド」や「ラウンドワン」と比べるとマイナーな銘柄です。

レジャー施設関連10万円株。優待情報も!

 株価データは2019年8月5日終値ベース。

伊豆シャボテンリゾート(6819・JASDAQ)

 伊豆シャボテン動物公園、伊豆ぐらんぱる公園などレジャー施設運営が主力の企業です。今年3月、シャボテン動物公園内にオープンした「レッサーパンダ館」は雨天時もエサやり・ふれあい体験で集客好調です。

 株主優待:1,000株保有で伊豆シャボテン動物公園などの招待券

・伊豆シャボテンリゾートの日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日) 

グリーンランドリゾート(9656・東証2部) 

 西部ガスが筆頭株主で九州(グリーンランド)、北海道(グリーンランド北海道)の遊園地事業の他、ゴルフ場、ホテルを運営しています。夏場はとくにファミリー向けの企画を打ち出しています。

 株主優待:100株以上保有で遊園地などの無料入場券

・グリーンランドリゾートの日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日) 

共和コーポレーション(6570・東証2部)

 北海道から兵庫までの各県でAPINA(アピナ)、YAZ (ヤズ)、GAMECITY(ゲームシティ)ブランドでアミューズメント施設を展開し、M&A(企業の合併・買収)を含め出店攻勢を続けています。

 株主優待:100株以上保有でQUOカード1,000円分

 ・共和コーポレーションの日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日) 

日本スキー場開発(6040・マザーズ)

 長野、群馬、岐阜3県に計8カ所のスキー場を展開するほか、通年でスポーツを楽しめる施設も運営しています。夏場は高山植物で知られる「栂池高原」、絶景の「白馬岩岳マウンテンリゾート」の稼働が注目点となります。

 株主優待:100株以上保有でスキー場リフト割引券や各施設割引券

・日本スキー場開発の日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日) 

極楽湯ホールディングス(2340・JASDAQ) 

 スーパー銭湯の専業大手企業です。「極楽湯」ブランドのスーパー銭湯を直営、FC(フランチャイズ)で全国展開し、店舗数で業界首位を誇ります。中国では上海、武漢、無錫などで大規模宿泊型施設を運営しています。

 株主優待:100株1年以上保有で温浴施設無料券

・極楽湯ホールディングスの日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)