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 デジタルトランスフォーメーション(DX)とはデジタル技術を活用し新たな価値を生みだすことです。総務省「情報通信白書」では、DXが進みつつあり、その変化は段階を経て社会に浸透し大きな影響を及ぼすことが指摘されています。人工知能(『AI』)などの情報通信技術(ICT)が従来の社会・経済システムに組み込まれると、社会・経済システムがそれを活用できるよう変革され、新たな社会へ変貌すると予想されています。

 

【ポイント1】デジタルトランスフォーメーションで大きな変化

『AI』で「つながる」最適化

 デジタルトランスフォーメーション(DX)とはデジタル技術を活用し新たな価値を生みだすことです。平成30年版「情報通信白書」では、人口減少時代に不足する労働力や資本、人の結びつきの希薄化などのマイナスの影響に対し、DXの進展で新たな価値創造を図り、持続的成長を目指すことが考えられています。

 白書では、DXが進みつつあり、その変化は段階を経て社会に浸透し大きな影響を及ぼすと指摘されています。『AI』の浸透でDXが進展することによって、特定の組織、制度、業界などで部分的に最適化されていたものがつながり、社会全体にとって最適なものになると予想されています。

 

【ポイント2】「つながり」で生まれる新しい価値

 身近な一例として、社会資本の急速な老朽化が懸念される中、必要性が高まっている「橋・トンネル」の検査があげられます。富士フイルムは、『AI』を活用した社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」を提供しており、大手建設会社などが利用しています。

「ひびみっけ」は、橋梁やトンネルのコンクリート表面の画像を『AI』を活用して解析することで、従来より短時間かつ高い精度でひび割れを検出するクラウドサービスです。同社は『AI』などのデジタル技術を活用することによってもともとの強みの医療用画像診断技術を、社会課題の解決のための技術にトランスフォームしています。

 

【今後の展開】人口減少時代に最適化

DXで持続可能な社会に

 これからも『AI』の浸透によって製品から収集したデータを活用した新サービスの展開や、技術を利用した異業種間の連携などが進むことが期待されます。また、シェアリングサービスが更に普及し、モノを所有する社会から必要な時だけ利用する社会へと移行し、産業構造が大きく変化することも予想されます。

 今後はDXにより、モノ、サービスが効率化され、現在の社会が、人口減少時代に最適な、持続可能な社会に変化していくものと思われます。そのような社会に向けた『AI』産業の動向が注目されます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。