今週の予想

金融イベント前に日経平均は2万1,000~2万1,600円のボックス内のもみ合いへ

 今週は、31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受けた今後の利下げ見通しや日本企業の決算が注目点です。

 FOMCは当初の0.5%の利下げ観測が後退しており、0.25%の見通しとなっています。0.25%であれば織り込み済みとなって相場はもみ合いとなるものの、9月以降の追加利下げが期待されてくると米株式は上昇し、日経平均株価も戻りを試すことになります。

 日経平均は上値の目先のフシは5月7日の2万1,875円の「マド埋め」で、ここを終値で突破すると2万2,000円を試す動きとなります。

 利下げ幅が0.25%の場合、30日から始まる米中通商協議がうまく進まない場合や、中東の地政学的リスクが高まれば、相場の重しとなります。

 ただし、現時点では世界的な金融緩和が背景にあるため、すでに知られた悪材料だけでは暴落はないと思われ、日経平均は大きく下げれば下げるほど買いチャンスとなります。

 29日は、先週末にロイターで「米中通商協議は2020年の米大統領選まで妥結困難」と報道されたことで、円が強含み、先物に継続的に売りが出て、前場は一時▲139円の2万1,518円まで下げました。しかし、後場になると下げ渋り、▲41円の2万1,616円で引けました。

(今週の指標)日経平均株価

 今週は、FOMCの利下げ発表と、その後の金融政策の見通しや日米の企業決算が注目となります。FOMCの金利引下げは当初の0.5%予測から、0.25%が確実視され、実際に0.25%なら材料出尽くしとなるところ。しかし、9月以降も追加の利下げ観測が継続すれば株価はサポートされることになります。

 ゴールデンウィーク直後の急落である、日足での大陰線のマド(5月7日の2万1,875円)を埋めると2万2,000円を試す動きとなります。

(今週の指標)NYダウ

 今週は月始を含むため、多くの主要経済指標が発表されます。

 30~31日のFOMCで当初の0.5%予想から0.25%の利下げが確実視されていますが、早期の追加利下げが示唆されると上値を追う動きとなります。逆に30日からの米中通商協議がうまくいかなかった場合、下げ要因となります。

(今週の指標)ドル/円

 今週は、FOMCの利下げが発表されますが、当初の0.5%予測から0.25%になりそうです。ただし、0.25%となっても、現時点では9月以降の利下げ期待は継続するため、米金利の先安感は後退せず、ドルの買い戻しにも限界があります。1ドル=107.5~109.5円のレンジを想定しています。

先週の結果

ナスダック、S&Pの最高値更新を受け、日経平均も想定レンジを突破し、一時2万1,800円台

 米国株式が好決算や4-6月期のGDP(国内総生産)の予想を超える経済指標を受けて、フィラデルフィア半導体指数が高値を更新。ハイテク株中心に株価が大幅上昇となりました。

 ナスダック総合株価指数やS&P500種株価指数は最高値を更新し、NYダウ平均株価は最高値に接近する動きとなり、日経平均も上値の重い中を、25日(木)には2万1,823円まで上昇しました。ただし、週の終値では▲98円の2万1,658円でした。

 7月のSQ(特別清算指数)値である2万1,742円はいったん突破しましたので、ここが目先の上値抵抗ラインになることはなくなりました。ゴールデンウィーク明けに急落となって日足の大陰線(2万2,190円→2万1,875円)となっていますので、2万1,875円を突破できるかどうかとなります。

22日:前週末の米国株安を受け、▲72円の2万1,394円で寄り付き、上海株式の下落もあって、一時▲149円の2万1,317円まで下げるものの、その後は、下げ幅を縮小し終値は▲50円の2万1,416円で引けました。 

23日:前日の米国市場で決算への期待が高まって、主要3指標そろって反発したことで、+8円の2万1,425円で寄り付き。そして、トランプ米大統領がファーウェイの制裁解除を示唆する発言をしたことで、ハイテク株中心に堅調な動きとなり、一時+269円の2万1,686円まで上昇して終値は+204円の2万1,620円と大幅反発となりました。 

24日:前日の米国市場で月末の米中通商協議の再開報道を好感し、予想を上回る4-6月期の決算もあって3指標が続伸。これを受けて日経平均も+106円の2万1,726円で寄り付き、一時+124円の2万1,744円まで上昇。その後は上値重いものの、+88円の2万1,709円と続伸しました。 

25日:NYダウは3日ぶりに反落するものの、ナスダックとS&Pは最高値を更新し、フィラデルフィア半導体指数は3日連続の過去最高値更新に。一方、日経平均はハイテク株を中心に朝方に+113円の2万1,823円まで上昇。しかし、ここからは上値重く、大引けにかけて上げ幅を縮小し、+46円の2万1,756円で引けました。

26日:前日の米国市場は、経済指標の強い結果を受けて、FOMCでの利下げ期待が後退。これによって3指標そろって反落。日経平均は▲56円の2万1,700円で寄り付いた後下げ幅を拡大し、一時▲166円の2万1,590円まで下げましたが、売り一巡後は下げ渋り▲98円の2万1,658円で引けました。

 日本市場の引け後の米国市場では、4-6月期のGDPが好調で、主要企業の好決算も相次いだことでドルが買われ、株式もナスダック、S&Pは1日明けて最高値更新の動きとなりました。為替は1ドル=108円台後半の円安となっており、シカゴ日経先物は+50円の2万1,650円でした。