17年中間決算は予想上振れ、旅客イールド改善見通しで通期の好決算に期待

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00670

中国東方航空
(チャイナ・イースタン・エアラインズ)

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 中国東方航空の2017年6月中間決算では、旅客収入が前年同期比9.7%増と、BOCIの予想通りの水準に達した。純利益は同34.4%増。子会社売却益(東方航空物流有限公司)17億5400万元を除くと同9.1%の減益だったが、それでもコスト管理の強化が奏功し、BOCIの予想から上振れた。

 旅客部門のイールド(旅客1人に対する1km当たりの収入単価)は前年同期比わずか0.2%の小幅減に踏みとどまり、内訳は国内線が同1.5%増、国際線が同3.9%減。ロードファクター(有償座席利用率)は全体で0.5ポイント上向いた。BOCIはイールドの改善や、原油相場、人民元為替相場の安定推移を見込み、17年通期に前年比29.2%の増益を達成すると予想(子会社売却益込み)。また、旅客イールドはほぼ底を打ったとし、この先改善に向かう見通しを示した。同社H株、A株の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して中立から強気見通しに上方修正した。

 旅客部門の有効座席キロ(ASK:総座席数×輸送距離)は17年通期に前年比10%増と(うち国際線が同14%増)、15年、16年比で減速する見込み。同社経営陣は従来のシェア拡大戦略を見直し、イールド改善に照準を合わせる方針を明らかにしている。主な輸送事業権やハブ空港の離発着枠がすでに航空各社に振り分けられ、健全な需給見通しが立ったことが背景。6月中間期には国内線のイールドが上向く半面、国際線のイールドが低下。同社全体の旅客ロードファクターは小幅の改善傾向を示した。

 ロードファクターの堅調見通しを理由に、BOCIは17年通期の旅客収入について前年比10%増を見込んでいる。また、航空機構成の優良化を受け、上期には営業コスト、メンテナンスコストが前年同期比で低下した点を指摘し、このトレンドが今後も続く見通しを示した。このほか、人民元相場はほぼ横ばいで安定的に推移すると予想し、北海ブレント原油価格は17-19年に1バレル当たり平均52米ドル、52米ドル、54米ドルと、相対的に低水準を維持するとの見方。こうした要因を反映させる形で、同社の17-19年の予想純利益を12-15%増額修正した。

 BOCIは17年、18年のROE(株主資本利益率)が11.2%、9.3%に達すると予想。高ROEと利益見通しの上方修正を理由に、H株目標株価の基準とする予想PBRを1.1倍から1.2倍に引き上げた。さらに元相場見通しの修正を反映させる形で、目標株価を引き上げ、H株の先行きに対して強気見通しに上方修正。また、A株に関しては過去のAH価格差(H株に対するA株のプレミアム率が77%)をあてはめ、目標株価を上方修正。H株と同様、A株の先行きに対しても強気見通しに引き上げた。

 なお、BOCIの敏感度分析によれば、人民元の対米ドルレートが1%下落するたびに、同社の17年、18年純利益は5.2%。3.4%目減りする。また、ブレント原油価格が1バレル=1米ドル上昇するたびに、17年、18年純利益は5.5%、6.5%縮小するという。