17年中間決算は10%増益、新輸送料金の予想上振れで再評価に期待
現地 |
銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00392 |
北京控股 |
43.70HKD (9/1現在) |
北京控股の2017年6月中間決算は、前年同期比10%の増益だった。北京市のガス需要が低調な中、関連会社の利益貢献の大幅増が寄与した。また、陝西-北京ガス・パイプラインの輸送量も、北京周辺の法人を対象とした「気代煤」(石炭利用からガス利用への切り替え促進)を背景に力強い伸びを示した。
新たなパイプライン輸送料金が予想以上の水準に決まったことが、この先、同社株の再評価を後押しすると見ている。陝西-北京パイプラインの価値(1株当たり18.20HKドル)を上乗せする形で同社の目標株価を設定し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
6月中間期の純利益は前年同期比10%増の37億7600万HKドルと、BOCIの通期予想の56%を消化した。中国燃気控股(チャイナ・ガス・ホールディングス:00384)と北控水務集団(ベイジン・エンタープライジズ・ウォーター:00371)の利益貢献が同54%急増したため。両社の利益貢献が中間期純利益に占める割合は37%と、前年同期の26%から大きく上向いた。
北京でのガス需要の低迷を受け、上期のガス販売量は前年同期比1.2%減の72億立方メートルと低調。主に暖冬が響いたためで、経営陣が事前に示していた7-8%増との予測を明らかに下押しした。これを受け、経営陣は17年通期の販売量伸び率目標を1桁台前半に下方修正。BOCIも通期予想を「前年比2.4%増」に引き下げている。
陝西-北京パイプラインの輸送量は上期に前年同期比12.7%増と好調だった。北京市のガス需要が低迷する半面、河北省、山西省、天津市で「気代煤」プロジェクトに絡む法人顧客のガス需要が増えたことが寄与した。BOCIは通期の輸送量が380億立方メートルを上回り、第1-第3パイプラインがフル稼働状況に達すると予想。冬の需要期に備え、年内には第4ライン(輸送能力160億立方メートル)が開通するとみている。
政府当局が決定し、9月1日に発効した陝西-北京パイプラインの新たな輸送料金は1立方メートル当たり0.2857元と、BOCI予想の0.28元を上回った。市場は従来比で20-30%の価格引き下げを見込んでいたが、実際には14%の値下げに踏みとどまった格好。BOCIはこれで市場の懸念が後退し、同社の再評価が進むとみている。
北京市でのガス販売量やビール事業の平均販売価格に関する予測値を下方修正しながらも、中国燃気控股の利益寄与や陝西-北京パイプラインの輸送量に関する見通しを引き上げ、さらに新たな輸送料金水準をプラスに評価。17-19年の予想純利益を3-8%増額修正した。SOTP方式を通じて目標株価を据え置き(17年予想PER10倍、同PBR1.1倍に相当する水準)、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
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