19年上期の成約額が32%増、広州地下鉄との戦略提携がプラスに

現地コード 銘柄名
00123

越秀地産

(ユエシュウチサン)

株価 情報種類

 1.88HKD
(7/19月現在)

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 越秀地産の19年上期の物件成約額は前年同期比32%増の369億元と、19年通期目標の54.3%を達成。成約伸び率は目標(約18%)を上回った。新たに戦略株主となった広州地鉄集団(GZM)との初の提携プロジェクトの成約額が約20億元を記録した。BOCIは19年上期の粗利益率が約30%に達し、コア利益が前年同期比25%超の伸びを示すと予想。国有企業をバックに持つ希少性や、収益性の高いGZMとの共同開発事業というビジネス機会を前向きに捉え、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 越秀地産は1株当たり2.0HKドルでGZMに新株を割り当て、増資後発行済み株式総数の19.9%を保有する戦略株主として迎え入れた。これに伴い参加した広州地下鉄13号線・官湖駅の開発事業は、分譲可能床面積94万179平方メートルの規模で、土地取得コストは1平米当たり約1万5,000元だった(平均販売価格は約3万元)。越秀地産の親会社はほかに、地下鉄沿線の不動産開発プロジェクト2件をGZMから取得済みであり(延べ床面積計179万平米)、19年10-12月期にも子会社である越秀地産に注入する見込み。土地取得コストは1平米当たり平均1万元、平均販売価格は同3万元を超える見通しという。同社はGZMとの戦略提携を受け、一般的に利幅が大きい地下鉄沿線開発事業への参加において優位に立った形。今後は広州市での経験を活かし、他都市でも、地下鉄運営会社との提携チャンスを探る可能性が高い。

 19年上期の物件成約額は、販売率(分譲対象物件の成約率)にして約60%。この数字も同社の19年目標である約52%を上回るペースとなる。19年通期の分譲可能物件は総額1,312億元規模。さらに、新規のGZMとの共同プロジェクトの寄与もあり、BOCIは通期成約額が目標の680億元を超え、約740億元に達するとみている。

 同社は19年上期に、土地競売を通じて11区画を取得した。延べ床面積にして約200万平米で、権益換算では約75万平米。土地取得コストは権益換算で約25億元だった。将来的な事業拡大に向け、新たに4都市(深セン、成都、鄭州、長沙)に進出している。

 BOCIは19年6月中間決算の増収率を前年同期比30%超、粗利益率を約30%と予想。少数株主持分の拡大が影響するものの、コア利益は同25%超延びるとみる。純負債比率は約70%を見込み、平均資金コストが小幅に縮小する可能性を指摘している。

 BOCIは19-21年のコア利益見通しを2-6%増額修正する一方、GZMへの新株割り当てに伴うEPS希薄化を受け、予想EPSを14.3-15.7%引き下げた。1株当たり予想NAV(純資産価値)も3.47HKドルと0.3%下方修正したが、BOCIは戦略提携による効果を高く評価。目標株価の対NAVディスカウント率を50%から40%に変更し、目標株価を引き上げた。19年予想PBR(株価純資産倍率)0.6倍、予想配当利回り7.6%に当たる現在株価の値ごろ感を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。