雇用統計で金続伸、パラジウム爆騰!
2017年9月4日(月)掲載分より
これまで何度もトライして弾かれている1,300ドルも、今年後半にかけてブレイクするであろうと、いろんなメディアや私のレポートでも言ったり、書いたりしてきました。これが先週週初に、堅い抵抗線(レジスタンス)であった1,300ドルを超えたことによって、一挙にマーケットのレンジが変わりました。
超えた瞬間から新たな買いが入り始め、1,320ドル台後半まで上昇。その後利食い売りで1,300ドルまで下落する場面もありましたが、そこはしっかりと拾われて1,320ドルまで戻しました。金曜日発表の8月の米雇用統計が予想よりも悪い15.6万人増という数字であったことで一瞬1,329ドルまで上昇。その後、1,315ドルまで下げるという激しい動きとなりましたが、結局1,325ドルと上昇して1週間を終えました。
北朝鮮問題、今月末に期限がくる米国の債務上限問題に加えて、この弱い雇用統計。もはやゴールドが大きく下げるシナリオは考えづらい状況です。レジスタンスであった1,300ドルは支持線(サポート)に変わって、マーケットは新しいレンジに入りました。昨年の米大統領選挙時の高値である1,347ドルをうかがう動きになると思います。
パラジウムが急騰
2017年9月4日(月)掲載分より
仰天したのはパラジウム。940ドルから980ドル超えと、40ドルの急騰。円建てでは1日で150円も上がりました。残念ながら今、その理由はわかりません。リースレートの行方も気になるところです。
パラジウムは上がると言い続けてきましたが、いよいよ需給ひっ迫が抜き差しならないところまできているのかもしれませんね。プラチナとの値差も24ドルと比価にして1.02まできました。とうとう逆転するのか?
CFTC Commitment of Traders Report as of 29 Aug 2017
2017年9月4日(月)掲載分より
投資家ロングポジションは705トンから818トンへ。大きく増加。投資家の資金流入が続いています。
ゴールド1,300ドルはサポートに
2017年9月1日(金)掲載分より
昨日の利食い売りによるdip(沈み)はしっかり買われましたね。これまでずっとレジスタンスであった1,300ドル。今度はしっかりとサポート(支持線)になったようです。
少し上昇してきたドルも再び下落。北朝鮮がもたらす地政学リスクはなくならず、9月末には米国の債務上限の期限が到来し、少なくとも短期的にはまた混乱が予測されるとなって、やはりゴールドは下がったら買おうというのが投資家の心情だと思います。
1日東京時間21:30は米雇用統計発表の日。ここでまた新たな動きがありそうですね。よい数字が出ても1,300ドルはサポート、悪い数字が出たときの上昇は結構なものになるのではないでしょうか?
ドル戻すもゴールド底堅く推移
2017年8月31日(木)掲載分より
ドルの買い戻しが続いています。30日発表された民間のADP雇用統計が、雇用者数増の予想が23.7万人で、予想の18.5万人を大きく上回ったこと、4-6月の実質GDP(国内総生産)改定値が市場予想の2.7%増を上回る3%増というupbeat(楽観的)な数字が出たことによりドル買いに拍車がかかりました。
ドル円は110円を突破、一時110.50円に届きそうな勢いでした。このドル高のわりにゴールドは大きく下げず。そのぶん、円建てのゴールドは4,640円台まで上昇しており、これはおそらく2015年6月以来の高値です。ゴールドはやはり下値が堅いといえます。今日は国内からの売りが出るのでしょうか。
シルバーは動意薄、PGM(プラチナ・パラジウム・ロジウム・ルテニウム・イリジウム・オスミウム)は若干の下げ。円建てでもシルバー、プラチナはほぼ変わらず、パラジウムは40円の下げとまちまちでした。
高値1326ドル、ドル買い戻しで反落
2017年8月30日(水)掲載分より
29日の北朝鮮のミサイル発射が、一昨日のニューヨークで大きく値上げしたゴールドをさらに押し上げました。Globex(シカゴ先物取引システム)は1,311ドル近辺で引けたのですが、その45分後、日本時間7時のGlobex Reopening(再開)では、1,317ドルまで上げてオープンし、1,322ドルまで高値があり、その後の東京時間帯は1,316-1,318ドルのレンジでの静かな一日となりました。円建ても久しぶりの4,600円台で国内では結構まとまった売りを期待したものの、ほとんど売りはなく、ちょっとびっくりでした。
ゴールドは東京のあとのロンドンで1,326ドルまで上昇しましたが、その後のニューヨークではドルが急激に買い戻されました(108.50円から一時110円手前まで)。
これに応じて(そしておそらく利食いの売りも含めて)ゴールドは、1,305ドルまで売られ、その後1,309ドルへ戻してニューヨークは引けました。円建てでは、ドルとゴールドの動きにきれいに相殺されて、29日の東京の引けからほぼ変わらずのレベル。
1,300ドルに乗せたことで、当然の利食い売りが出ているのでしょう。ただ基本的なバックグラウンドは変わらずだと思います。Stay gold.
今そこにある危機:北朝鮮
2017年8月29日(火)掲載分より
28日のロンドンは休みでしたが、東京の引け15時15分過ぎに1,295ドルから1,298ドルまでジャンプ。その後日本時間で日付が変わるころ1,300ドルをブレイク。それにより一挙に買いが入り、1,312ドルまで上昇しました。
これまで1,300ドルで何度も頭を押さえられてきましたが、それを完全にブレイクしたことで新たな買いが集まり、ドカンと上がったようです。これまでいろんなところで1,300ドルは時間の問題と言ったり書いたりしてきましたが、やはりそうでしたね。
そしてゴールドが1,300ドルを超えて戻ってきた朝6時過ぎ、今度は北朝鮮が日本の北海道上空を通過するミサイルを発射。まさにこれを書いているときでした。Globexはほぼ終わっていましたが、ドル円は109.20円レベルから108.90円へと円が買われています。日ごろから言っていますが、北朝鮮情勢は常にそこにあります。決して「慣れる」べきものではないです。いつ何があるかわからない状況にあると認識しなければならないと思います。
東京時間の朝7時になりGlobexのreopeningは1,317ドルと大きく上昇して始まり、高値は1,322ドルまでありました。ドル円は一時108.30円レベルまで円高が進みました。ゴールドも円も安全資産として買われているわけですが、ゴールドは当然としても、ミサイルが上空を通過したその危機当事国である国の通貨が安全資産として買われることは、やはりおかしいと思います。
この円高にもかかわらず円建てゴールドはおそらく、昨年3月以来の4,600円超えです。
インドと韓国
2017年8月29日(火)掲載分より
インドは7月1日からGST(物品サービス税、消費税のような付加価値税)を導入しました。これによりゴールドの輸入は関税10%とGST3%がかかることになりました。
しかし、FTA(自由貿易協定)を結んでいる国とはこの関税がGSTに一本化され、3%しかかからないということになり、7月から突然韓国からのゴールドコインの輸入が急増。7月と8月でもはや20トン以上のゴールドコインが韓国から輸入されています。ちなみに7月以前はほぼゼロでした。韓国からゴールドコインを3%の税金で輸入し、それを溶かしてゴールドとして使うほうが、13%の税金を払って地金を輸入するよりはるかに安く、もうかるという、いわば裁定取引です。
そして先週金曜日。とうとうインド政府は韓国からのゴールド製品の輸入を禁止しました。そうなりますよね。ただこのFTAはASEAN(東南アジア諸国連合)各国、そして日本も結んでおり、インドネシアからのゴールドが今度はまとまって入ってきているとの情報もあります。
一物一価のゴールドに世界の各地でいろんな税金がかけられてしまうと、その違いに目をつけて合法・非合法にかかわらず利益が取れるなら「やる」連中はたくさんいるわけです。日本へのゴールド密輸による消費税還付狙いなんてその典型的な例ですね。
世界中でゴールドは通貨の一種として付加価値税や関税はなくせばいいと思うのですが、世界が主権国家で成り立っている以上、そういうことは簡単には実現できないのでしょうね。これからもいたちごっこが続くのでしょう。
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