事業の多様性が強み、主力部門がそろって成長持続へ

現地コード 銘柄名
01883

中信国際電訊集団

(シティック・テレコム・インターナショナル・ホールディングス)

株価 情報種類

 3.14HKD
(7/10現在)

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 企業情報
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 BOCIは固定通信やモバイル通信、さらに高利幅の企業向けICT(情報通信技術)ソリューション、国際ローミングサービスまでカバーする事業の多様性の高さなどから、中信国際電訊を前向きに評価。19年予想PERで11.2倍、予想配当利回りで6%に相当する同社の現在株価が魅力的水準にあるとし、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同社は8月半ばにも、19年6月中間決算を発表する予定だが、マカオや東南アジアでの各種スマートシティー・プロジェクトの始動を受け、うち企業向けソリューション部門の売り上げは引き続き堅調。BOCIは上期に前年同期比6.4%の部門増収を見込む。また、国際通信部門の予想売上高は、6月中間期に同8.3%増。主に金融機関によるA2P-SMS(A2PはApplication to Personの略、企業から消費者へ送るSMSを指す)利用の拡大や、中国からのアウトバウンド旅行者の増加を受けたモバイルデータ・ローミングの需要増が寄与したという。このほか、モバイルサービス、インターネットサービス両部門の予想増収率はそれぞれ4.6%、6.0%となっている。一方、中間期のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)マージンについて、BOCIは前年同期並みの30%を維持するとの見方。純利益は前年同期比7.5%増の4億8,900万HKドルに達したと推定している。

 過去の記録を参考に、BOCIは19年6月中間期に1株当たり0.05HKドルへの増配が行われるとみている(前年同期比で25%増)。一方、同社の営業経費の一部は人民元建てで、売り上げの大半は米ドルをはじめとする外貨建て。為替相場の変動による影響は限定的という。

 BOCIは目標株価を据え置くとともに、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続した。今後もマカオの通信事業、企業ソリューション事業、国際通信サービス事業といった各部門がバランスの取れた成長を遂げるとの見方。また、19年予想PER(11.2倍)や予想配当利回り(6%)から見た現在株価の魅力に加え、為替変動による影響が限定的である点などを前向きに受け止めている。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因としては、国内の政策変更に伴うアウトバウンドの萎縮が、国際通信サービス事業への打撃となる可能性を挙げている。