19年3月本決算で60%増益、旗艦ブランド重視の新戦略が奏功

現地コード 銘柄名
03998

波司登国際控股

(ボスドン・インターナショナル)

株価 情報種類

 2.03HKD
(6/27現在)

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 波司登国際の19年3月本決算は、売上高が前年比16.9%増の103億8,300万元、純利益が同59.5%増の9億8,200万元に達した。売上高がBOCIの予想通りとなる半面、純利益はBOCI予想および市場コンセンサス予想をそれぞれ17%、14%上回る水準。製品構成の見直しに加え、価格決定力の高いブランド・ダウン衣料事業に注力した結果、粗利益率が前年の46.4%から53.1%に上向いたことが寄与した。新たな事業戦略が出足から好結果をもたらしたことで、BOCIは同社が今後も、製品構成の最適化に向けた努力を継続すると予想。国内ダウン衣料市場におけるシェア奪回にもつながるとみている。向こう2期の利益見通しをそれぞれ8.2%、7.9%増額修正した上で、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

 19年3月通期決算は前年比16.9%の増収となったが、多角経営を目指した非中核事業の売上高が前年の11億4,000万元から1億5,600万元へ激減し、足を引っ張る形となった。こうした点から、BOCIは主力事業の実際の売り上げ伸び率はさらに大きいと指摘している。成長の2大エンジンとなったのは、主力の「波司登」ブランドとOEM事業で、それぞれ前年比38.3%、46.1%の増収。レディース衣料は同4.2%増収だった。

 粗利益率は前年を6.7ポイント上回る53.1%に達したが、これは主に、旗艦ブランド「波司登」(粗利益率57.4%)の売り上げ比率が拡大したため。半面、営業利益率は13.2%で、前年比の上昇幅はわずか2.8ポイント。物流・販売費の増大が粗利益率の急拡大や減損損失の縮小といったプラス要因を一部打ち消す形となった。また、同期には2,400万元の純財務収入を計上し、税率は前年並みの28%。純利益率は9.5%と、14年3期以来の高率を記録した。

 BOCIは利益率の改善を反映させる形で、20年度、21年度の利益見通しをそれぞれ8.2%、7.9%増額修正した。修正後の予想EPS伸び率は20-22年度にそれぞれ前年比15%、23%、11%。20年度予想PER22.0倍(従来と同水準)をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを据え置いた。BOCIはまた、同社の19年3月期の配当性向が76%に達した点を指摘している。