19-21年予想利益を小幅に下方修正、湖南省の電力価格引き下げで

現地コード 銘柄名
02380

中国電力国際発展

(チャイナ・パワー・インターナショナル)

株価 情報種類

 1.89HKD
(6/26現在)

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 湖南省当局はこのほど、地元の水力発電施設の電力販売価格を1kWh当たり0.02元引き下げると発表した。19年7月1日付で施行し、向こう5年間にわたって適用する。BOCIはこれまで、増値税(VAT)の減税分を反映させる形で、VAT込み価格の引き下げ幅を同約0.01元と見積もっていたが、湖南省が示した値下げ幅はこれより大きく、電力セクターにとっては厳しい内容となった。BOCIはこれに伴い、中国電力国際の19-21年の予想EPSを2-4%減額修正し、目標株価を引き下げたが、水力発電の設備稼働率の力強い回復や高配当利回りを指摘。同社株価の先行きに対し、強気見通しを据え置いている。

 湖南省は18年9月後半にも、水力発電の電力価格を1kWh当たり0.01元引き下げた経緯があり、今回の値下げはここ1年弱で2度目となる。一方、貴州省も19年4月、電力価格引き下げに動いたが、こちらはVAT減税(税率16%→13%)を反映させたBOCIの予想通りの下げ幅だった。また、同社が貴州省の三板溪および挂治に置く水力発電所2カ所(権益換算の発電容量は計688MW)の電力価格は、独自に1kWh当たり0.39元に設定されており、今回の価格調整リスト(25日発表)からはひとまず除外された。ただ、BOCIは今後、この2カ所が値下げの対象となるかどうかは不明との認識。同社全体の19年上期の水力電力価格(VAT除外後)を1kWh当たり平均0.276元と予想。それ以降に関しては同0.269元へ、2.5%低下するとみている。

 中国気象局のデータに基づくBOCIの分析によれば、湖南省の降雨量は19年1-5月に前年同期比23%増加した。続く6月は前年同月の降雨量が少なく、同社の水力発電量は力強い伸びを示す見込み。6月の発電量に関するBOCIの予想(前年同月比22%増)はかなり慎重であり、実際にはこれを上回る可能性が高いという。

 BOCIは水力部門の電力価格の調整を反映させる形で、19年下期以降の想定値を小幅に修正。19-21年通期の予想EPSをそれぞれ2-4%減額修正した。19年予想PBR(株価純資産倍率)0.7倍という控えめな数値をあてはめて目標株価を下方修正したものの、力強い利益回復見通しや高配当利回りを前向きに評価し、株価の先行きに対しては強気見通しを継続している。

 一方、レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因としては、水力発電・石炭火力発電の設備稼働時間数が予想を下振れる可能性、燃料コストやその他費用が予想より膨らむ可能性を挙げている。