今週は、週前半はアク抜け上昇、週後半は様子見へ
今週は先週末の材料によって、目先はアク抜けとなり、大幅スタートが想定されます。先週末は、大阪G20(主要20カ国、地域)サミットに合わせて行われた29日(土)の米中首脳会談の結果が米中通商協議の継続と、対中追加関税の見送り、ファーウェイへの制裁緩和の合意ができたこと、さらに30日(日)の突然の米朝首脳会談の実現がありました。
ただし、米中首脳会談は問題の先送りだけで具体的な解決策は今のところ何もなく、先々は不透明のままです。そのため上昇の後は、米経済指標をにらんで、7月利下げを見極めようという動きから、もみ合いとなりそうです。
特に週末には6月米雇用統計の発表を控えており、週後半は様子見となってくる可能性があります。
月初めは多くの経済指標が発表されますが、これらの統計の中で米中貿易摩擦の悪影響が確認されれば、7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げに踏み切る観測が強まり、相場の押し上げ要因となります。
一方で、米国とイランの地政学的リスクが高まればマイナス材料となります。
現時点で言えることは、アク抜けしたとしても一時的なものであるということです。
米国株式の史上最高値水準や今後の米中関係の不透明さ、米国経済の懸念を考えると積極的に買っていくところではなく、大きな調整を待つスタンスを取るのがリスクを少なくする投資だと言えます。ここからの上昇は、買っている銘柄があれば、利益確定させてキャッシュ比率を高めておくのがよいでしょう。
7月1日は、米中首脳会談での貿易協議再開合意や追加関税の見送り、ファーウェイに対する規制の緩和の示唆、さらに円安への流れを受け、+290円の2万1,566円で寄り付き、一時2万1,758円まで上昇し+454円の2万1,729円と今年3番目の上げ幅となり、2カ月ぶりの高値水準となりました。5月連休明けの「マド」7日の安値2万1,875円、8日の高値2万1,639円を埋めると、2万2,000円の期待も出てきます。それ以上は、米国株と為替次第となります。
(今週の指標)日経平均株価
今週は、先週末29日(土)の米中首脳会談で、米中通商協議の継続、中国への追加関税の見送り、ファーウェイへの規制の緩和が合意されたことで、アク抜けから上昇スタートが期待できます。しかし、上昇後は米景気動向をにらみ、7月利下げを見極めようとする神経質な取引となりそうです。そのため経済指標が注目となり、週末の6月米雇用統計まではもみ合いが想定されます。
(今週の指標)NYダウ平均株価
今週は、29日の米中首脳会談で両国が通商協議再開で合資し、トランプ米大統領は当面は追加の関税を見送ると発言したこことで、株式市場にはひとまず安心感が広がり、戻りを試す展開が想定されます。戻りの程度は経済指標の結果がFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ動向を占う展開となりそうです。
(今週の指標)ドル/円
今週は、29日の米中首脳会談で、両国が通商協議を再開することに合意し、トランプ大統領が追加関税を見送ることを表明したことで、ドルは底堅い動きで推移しそうです。リスク回避の円買いは縮小し、FRBの7月利下げ観測もやや後退していることでドル/円はしっかりした動きとなりそうです。107.5~109.5円のレンジを想定。
先週の結果
先週は、106円台の円高進行となるが、日経平均は2万1,000~2万1,400円の中のもみ合い先週の予測では、大阪G20に合わせた29日(土)の米中首脳会談の結果が分かるまでは、先週、同様の2万1,100~2万1,500円の中での様子見が続くと予想しました。ただ、週末までの間に、FRBの年後半の数回の利下げ思惑からドル売り、円買いが進んでも日経平均の下値は限定的だとしました。
結果的に、25日(火)には、米国とイランの対立激化からドル売り、円買いが106.76円まで進んだところで、パウエル議長が7月利下げに水をさす発言をしたため、早期利下げ期待が後退。米株は大幅下落となり、これを受けて日経平均は2万1,035円まで下落しました。その後は、ドルの買い戻しから円安へ振れたため、日経平均は2万1,300円台まで戻して引け。1週間を通しては2万1,000~2万1,400円の中でのもみ合いでした。
24日:前週末の米株安を受け、売り先行で始まり、トランプ大統領がツイッターでイランに追加制裁を課すとしたことで、一時▲72円の2万1,185円まで下げましたが、上海株式が持ち直したことで、上下動を繰り返した後、小高く推移し、+27円の2万1,285円と小反発で引けました。
25日:円高方向にあることを嫌気し、▲47円の2万1,238円で寄り付き、上海株安も重しとなったところで、昼休みの時間に「トランプ大統領が最近、日本との安全保障条約を破棄する可能性について言及した」と報じられると、円高が進行し、一時▲170円の2万1,114円まで下落し、売り一巡後は下げ渋って▲92円の2万1,193円と反落しました。 この日の引け後の米市場では、FRBのパウエル議長が7月の利下げ期待に水をさす発言をしたことで、早期利下げを前提にした楽観的なドル買いが巻き戻され(1ドル=107.40円→106.76円)、3指標大幅下落となりました。
26日:前日の為替の動きを受けて、▲126円の2万1,067円で寄り付き、ジリ安状態となって、後場には一時▲157円の2万1,035円まで下落しました。その後は持ち直すものの戻りは限定的で▲107円の2万1,086円の続落となりました。
27日:時間外での米株価先物が堅調で為替も107円台後半となっていることで、+70円の2万1,156円で寄り付き、上げ幅を拡大し上海株高も支えとなって、前場は+175円の2万1,262円で引けました。さらに後場になると108円台前半の円安となったことで、終値は+251円の2万1,338円と高値引けとなりました。売買代金は2兆34億円と21日以来の2兆円超えでした。
28日:前日の急上昇の反動とやや円高へ戻したことで▲55円の2万1,282円で寄り付き、一時▲132円の2万1,205円まで下げるものの、米中首脳会談を控え様子見となりました。前日の大幅上昇は貿易戦争の停戦合意予想から上げ過ぎたため、それがハゲ落ちたというところでしょう。後場、寄り付きが▲138円の2万1,199円まで下落後、株価先物買い主導で大引けにかけて下げ渋り、▲62円の2万1,275円で引けました。
この日の引け後の米市場は、FRBのストレステストに大手銀行18行がすべて合格し、増配などの資本政策が承認されたことで金融株が相場を押し上げました。NYダウは+73ドルの2万6,599ドル、S&Pは+16Pの2,941P、ナスダックは+38Pの8,006Pと主要3指標そろって上昇しました。シカゴの日経先物は+85円の2万1,305円でした。
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