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『父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話』

 

『父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話』
著者:ヤニス・バルファキス/訳:関美和
2019年03月08日発売/ダイヤモンド社
1,620円(税込)

 

答えてくれた人

ダイヤモンド社 書籍編集局 第一編集部  三浦岳さん

著者ってどんな人?

ヤニス・バルファキス氏
1961年、アテネ生まれ。2015年、ギリシャの経済危機時に財務大臣を務め、EU(欧州連合)から財政緊縮策を迫られる中、大幅な債務帳消しを主張し世界的な話題となった。長年、英国、オーストラリア、米国で経済学を教え、現在はアテネ大学で経済学教授を務めている。

編集者から見た著者は、こんな人

著者・ヤニス・バルファキス氏は、2015年にギリシャが経済危機に陥った際に、急遽同国の財務大臣になったという経歴の方。もともとは経済学者ですが、実務家ならではの地に足のついた視点が特徴です。「実務を伴わない経済学者や経済評論家なんて学者ではなく『占い師』だ」とご本人がおっしゃっているほど、実務家視点を貫いている方です。

どんな人におススメ?

経済のことを知らなくてはいけないものの、数字は苦手……というタイプの方におすすめです。私自身、ド文系ですが、本書のわかりやすさには驚嘆しました。

この本の、ここが読みどころ!

 本書は、「とにかくわかりやすい」、そして「面白い」というところが特徴です。経済のような込み入った話を、ここまで咀嚼して、易しい言葉で語った本はなかなか見当たりません。さらにその言葉は、まさに「父が娘に語る」ように、正論や建前ではなく、真摯な本音のメッセージになっています。

 今、娘(=読者)は何を知るべきか、どう行動すべきかについて、じっくりと自分で考えさせるように、優しく語り掛けています。『ブレードランナー』『マトリックス』『スタートレック』などの映像作品から、『ファウスト』『フランケンシュタイン』などの文学作品、さらにはギリシャ神話まで総動員して材料を示してくれます。さまざまなエピソードを読むうちに、経済の本質が頭に入ってくる構成になっています。

 

編集者の制作秘話

 この著書が、ヨーロッパでベストセラーになっていると知り読んでみたところ、無類に面白く「どうしても出版したい!」と熱望して、日本版の権利を取りました。

 本書の訳者は、世界で100万部の大ベストセラーの話題作FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣を訳した関美和氏。難しい概念をやさしい日本語に訳すことが本当にうまい方です。本書では著者の説明の明快さと訳者の日本語のうまさがあいまって、ものすごく伝わりやすい内容になっています。

『 FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』
著者:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング
2019年01月12日発売/日経BP