グルメO2Oの有力企業、20年以降の高利益成長に期待

現地コード 銘柄名
03690

美団点評

(メイトゥアン・ディエンピン)

株価 情報種類

 61.30HKD
(6/20現在)

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 BOCIは美団点評のカバレッジを開始し、株価の先行きに対して強気見通しを示した。19年の赤字縮小と、20年以降の力強い利益成長を見込み、その理由として、フードデリバリー(ネット出前)取引の増加や競争環境の正常化、ローカル広告の市場シェアの拡大、新規事業の赤字縮小といった複数の成長要因の存在を挙げた。また、ユーザー向け補助金や営業レバレッジの縮小に伴い、コアEBITDA(利払い・税引き前・減価償却前利益)が長期的に、20%台半ばに達するとみている。

 同社は中国のO2O(オンライン・ツー・オフライン)サービス市場における最有力企業の1社で、年間の取引利用者数と購買頻度では全てのEC(eコマース)プラットフォームの中で3位の座にある。巨大なサービス商業基盤や優良な物流ネットワークなどが同社の強み。また、主力のグルメサービス部門が強力であるために、その他の新規サービスに手を広げる際にも、ユーザー獲得コストが低いという優位点を持つ。

 BOCIはネット出前事業が20年に黒字化し、21年には営業利益率が10%に達するとみている。ユーザー向け補助金負担の落ち着きや効率化、営業レバレッジの改善が見込まれるため。18年下期からの競争激化を受け、19年の黒字化は難しくなったが、20年下期にはユーザー獲得競争も一段落し、競争環境が正常化する可能性が高いという。

 一方、オンラインマーケティングサービス(OMS)部門の収入について、BOCIは21年までの3年間に年率平均46%の伸びを見込む。オンラインへの広告シフトや他チャネル(検索エンジンやソーシャルメディアなど)に比べた費用対効果の高さを背景に、サービス事業者の広告予算の獲得においてシェア拡大が見込まれることが理由だ。18年には14%だったOMS部門の売り上げ構成比が、21年には20%に上向くとみている。

 また、新規事業関連の損失もこの先、縮小する見込み。BOCIは18年の120億元から、19-21年には年間60億-80億元に下向くとみて、シェア自転車サービスの減価償却費の縮小、配車サービスのユーザー向け補助金の縮小を主な要因に挙げた。今後はレストラン向けのSaaS(サービスとしてのソフトウェア)やサプライチェーン・ソリューション提供など、グルメサービスを事業拡大戦略の柱とする方向にある。

 BOCIによると、今後予想される同社株の支援材料は、8月発表予定の19年4-6月期決算と、ネット出前分野のトップシェアを維持するための補助金負担が予想以上に小さかったことを示す情報など。一方、出前の競争激化や国内経済の減速懸念を受けた消費意欲の低下、買収に伴う減損計上の可能性などが潜在リスク要因になり得るという。

 BOCIがDCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づいて設定した目標株価は、20年、21年の予想コアPERで93.7倍、34.6倍の水準。コアEV/EBITDA倍率では48.9倍、22.8倍の水準となる。