自社ブランド不振で1-5月に3%の販売減、日系2社の好調が下支え

現地コード 銘柄名
02238

広州汽車集団

(グァンジョウ・オートモービル)

株価 情報種類

 7.12HKD
(6/18現在)

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 広州汽車集団の新車販売台数は19年1-5月に前年同期比3.2%減少し、通期目標(前年比3-4%増)を下回るペースで推移した。自主ブランド「伝棋」(Trumpchi)と広汽フィアットクライスラー(FC)の不振が響き、これが広汽トヨタと広汽ホンダの販売増効果を打ち消した。BOCIは「伝棋」について、既存モデルの“経年化”やローエンド車種の需要低迷を理由に販売台数と利益の両面から下押し圧力が大きいとの見方だ。また、新エネルギー車に関しては、中国当局による補助金の削減措置を受けた部門赤字の拡大を予想。19年には合弁事業のうち好調な日系2社が通期利益の大半を稼ぎ出すとみている。BOCIは「伝棋」と広汽FCの低迷を織り込む形で同社の利益見通しを12-13%減額修正。19年予想PER8倍をあてはめて目標株価を引き下げた。ただ、現在株価の低バリュエーションを理由に株価の先行きに強気見通しを継続している。

 中国では大都市部を含む一部地域において、7月1日付で新たな排ガス基準「国6」が先行導入される運び。同社は急ピッチで対応を進めており、主要車種に関してはほぼ「国6」仕様への切り替えを完了させた。

 1-5月の販売台数を見ると、自社ブランド「伝棋」の販売台数は前年同期比38.2%減の14万2,823台。予想より早く、9月にも新「GS4」モデルを投入する予定だが、BOCIはそれでも、19年の販売目標(前年並みの約50万台)達成は難しいとみて、予想値を27.5%減の約39万台に下方修正した。ローエンド車種の需要萎縮に加え、排ガス基準の「国6」への移行に伴う値下げやコスト増が痛手となり、黒字転換も難しいとみている。一方、新エネ車では、新型EV「Aion S」がすでに5万台分の受注を獲得し、通期販売目標(新エネ車全体で5万台)達成に向けて好スタートを切ったが、補助金削減が痛手となり、19年には部門赤字が拡大すると予想。新たな補助金制度の下では、新エネ車部門の採算ラインは「年間10万台」になるとの分析結果を明らかにしている。

 一方、中外合弁事業はまちまちで、日系2社の好調が際立つ。広汽トヨタの販売台数は1-5月に前年同期比25.1%増の25万5,724台と、他社を圧倒。通期目標(10%増の64万台)達成が十分視野に入った。広汽ホンダも18.3%増の32万3,167台と好調。BOCIはこの先、前年実績が高くなるにつれ、販売伸び率が減速するとしながらも、両社の安定的な利益成長を見込んでいる。対照的に、不振の広汽FCは1-5月に47.9%減のわずか3万672台。BOCIは19年通期で前年比40%減を見込み、小幅の赤字拡大(12億元)を予想する。ただ、この分の赤字は広汽三菱の利益でほぼ相殺可能という。

 BOCIは19-21年の予想純利益を12-13%減額し、96億元、103億元、108億元に設定した。これに伴い目標株価を引き下げながらも、現在株価の19年予想PERがわずか6.6倍にとどまる点を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。