今週の予想

今週は、FOMCを前にもみ合い

 先週末終値で2万1,000円台を維持し、メジャーSQ(特別清算指数)を上回って通過したことで、今週は相場が上を向いてもおかしくないという、楽観論の見方があります。これは、目先の為替と米国株式次第と言えます。一方で、相場の先行き不透明感は、ますます強まっており注意が必要です。

 また、13日に発生したホルムズ海峡付近の日本船籍のタンカーなどへの攻撃を、イランのやったことだと米国は断定しており、地政学的リスクがあります。

 そして、18~19日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、7月の利下げが示唆されるかどうかが焦点です。米中貿易戦争の影響で欧州経済が苦しくなり、ユーロが急上昇。ドル売り、円買いの可能性もあります。

 国内では「老後資金2,000万円」問題から、麻生太郎副総理の責任問題が大きくなれば、参議院選挙で厳しい状況も想定されます。安倍内閣は過去2回、年金関連で大失敗しています。

 ただし、表面化している悪材料で多少下げることはあっても、日経平均株価には大きな影響は出ません。株式市場にはネガティブサプライズが必要であり、想定が事実になり、予想外の悪材料が加わって、暴落します。

 日経平均は、2018年10月2日の2万4,448円をピークとして、二段下げの状況。次は三段下げを待っているところです。一段下げが2018年10月26日の2万971円までの下げ(14.3%)、二段下げが12月3日の2万2,698円から12月26日の1万9,117円までの下げ(15.8%)。三段目が今のところ今年4月24日の2万2,362円からの下げとなり、これがどこまでの下げとなるか。一般的に三段下げが一番大きな下げになるため、例えば20%の下げとなれば、1万7,890円と、1万8,000円を割ることになります。

 これはあくまでも想定ですので、何とも言えませんが、近々リバウンドが終わり、三段下げに入っていく確率は高いと思われます。

 17日は、朝方▲72円の2万1,044円まで下げるが、売り一巡後は上げに転じ、+68円の2万1,185円まで上昇しましたが、その後は小高い水準でもみ合い、終値は+7円の2万1,124円で引けました。

 TOPIX(東証株価指数)は▲6ポイントの1,539ポイントと反落。値下がり数は1,483銘柄で、一部の値ガサ株によってプラスを維持しました。出来高、売買代金も減少しています。

(今週の指標)日経平均株価

 今週は、米中貿易摩擦、米国の利下げ判断、イランのタンカー攻撃による地政学的リスクが焦点となります。

 18~19日のFOMCでは、利下げの示唆があるのかどうかが焦点となります。

 国内では「老後資金2,000万円」問題が政争となっています。

 日経平均は2万1,000円を中心とした神経質な値動きが想定されます。短期のリバウンドが続いていますが、きっかけ次第では今週終わる想定をしておいたほうがいいまもしれません。チャートからは5月20日の2万1,430円を突破して出来高が増加すれば、もう少し上も考えられます。

(今週の指標)NYダウ平均株価

 今週は、米国の対外政策が相場の重しとなりそうです。

 ホルムズ海峡付近の原油タンカー攻撃をイランの責任と非難。地政学的リスクが高まっています。

 また18~19日のFOMCで利下げの可能性や時期に何らかの示唆があるのかどうか、焦点となります。国内では、株式市場は先行き不安材料が目白押しとなっており、株価が多少戻しても要注意と言えます。

(今週の指標)ドル/円

 今週は、ドルの上値が重い展開が想定されます。

 18~19日のFOMCでは政策金利は据え置かれる見込みですが、声明で7月利下げが示唆されるようなら、ドル売りに振れやすくなります。

 今週は1ドル=107.5~109円の狭いレンジを想定。

先週の結果

週前半高く、後半、ザラ場で2万1,000円割るものの、終値では2万1,000円台回復

 日経平均は、週始めにはメキシコ関税見送りを好感して大幅上昇となって2万1,000円台を回復。11日は終値で2万1,200円台まで回復しました。その後は、12日のザラ場高値2万1259円まで上昇後、下落に転じ、13~14日の2日間は、ザラ場では2万1,000円を割り込みましたが、終値で2万1,000円台を回復して引けました。
 

 NYダウ平均株価はもみ合いながらも堅調な動きで、下値は限定的でした。

10日:先週末の米国市場で、注目の5月雇用統計が市場予想を下回ったことで、利下げ観測がさらに高まり、また、メキシコへの追加関税が停止されたことで、NYダウは+263ドルの2万5,983ドルと5日続伸し、これを受けて日経平均は+210円の2万1,095円で寄り付き、一時+281円の2万1,166円まで上昇して、終値は+249円の2万1,134円と大幅続伸となりました。 

11日:前日の週明けの米国市場で、NYダウが6日続伸となっていたものの、▲34円の2万1,099円と朝方は売り先行で始まりました。しかし、売り一巡後は円の弱含みと上海株式の上昇を受け反発に転じて、一時+92円の2万1,227円まで上昇し、終値は+69円の2万1,204円と3日続伸しました。

12日:朝方の売り一巡後に、4月の機械受注が予想外にプラスとなったことで、先物買いを支えに上げに転じて、一時+55円の2万1,259円まで上昇。前引けは+19円の2万1,223円でした。しかし、後場になると前日の終値近辺でもみ合った後、円の強含みを受けて、大引けにかけて売られ、▲74円の2万1,129円と4日ぶりに反落となりました。

13日:前日の米国株式が主要3指標そろって小幅続落となったこともあり、朝方から売りが先行し、一時▲197円の2万932円と、2万1,000円を割り込みました。しかし、後場になると日銀のETF(上場投資信託)買い期待や上海株式の反発もあり、翌日のメジャーSQ算出を控えて様子見となって下げ幅を縮小。▲97円の2万1,032円と2万1,000円を維持しました。 

14日:前日の米国市場では3指標そろって反発したことで、+17円の2万1,049円で寄り付き。その後、中東で日本のタンカー2隻が攻撃を受けたとの報道で、一時▲60円の2万971円まで下げるものの、影響は限定的で切り返し、前場は+55円の2万1,087円で引けました。後場も先物買いを支えに2万1,100円台に乗せ、終値は+84円の2万1,116円となり、6月SQ値2万1,060円を上回って引けました。

 14日の米国市場は、米中貿易戦争の影響でブロードコムの2-4月期決算は売上高が市場予想を下回り、これを受けて半導体関連株が下落。3指標そろって反落となりました。フィラデルフィア半導体指数も▲2.61%で、経済指標はまちまちでしたが、利下げ期待が続いており、下値は限定的となっています。

 シカゴの日経先物は▲50円の2万980円と2万1,000円を割り込みました。