株式市場のクラッシュシナリオ
ファンドの企業秘密めいた話なので詳細は申し上げられないが、筆者の周辺のファンドの中には現在の相場は8~9月あたりに大きく崩れるのではないかという予測をしているところがある。
6月相場は米中貿易戦争の行方によっては波乱含みで、そこで下げるかもしれないが、例年7月は株高の月ということもあり、また、日本の市場は選挙向けのPKO(価格維持操作)も想定される。したがって、大きく崩れるとしたら8~9月ではないかと見ているようだ。
株式市場のクラッシュシナリオ
NYダウ(日足)とPPT(市場下落防止チーム)の動き
この先トランプ大統領はパウエル議長に利下げとQE4を要求する
トランプ米大統領の貿易戦争のあおりを受けて、世界経済の鈍化傾向はこれから急速に悪化してくるだろう。史上最高値圏にある米国株が下落すると、トランプ大統領はパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長に利下げとQE4(量的緩和第4弾)を要求するだろう。これは、明らかにドル安要因である。
ドルインデックス先物(日足)と波動カウント
ドルは既に天井を付けている⁉
中国はレアメタルやハイテク重要技術の輸出制限で米国に揺さぶりをかけているが、来年の大統領選を利下げとQE4で乗り切るつもりのトランプ大統領は、選挙がらみで問題の多いメキシコには譲歩しても、中国問題に関しては引かないだろう。
トランプ大統領に敵対する軍産複合体系のメディアである英フィナンシャルタイムズの記事「The looming 100-year US-China conflict 迫りくる米中の100年戦争」の見出しには、100年戦争という言葉が躍っている。中国の体制や政治を批判しつつも、これまではどこの国も商売で中国と付き合ってきた。しかし、今回の米中貿易戦争は、トランプ大統領が強靭な精神力で仕掛けている新しい冷戦である。貿易戦争や保護主義をなめていると、大変なことになりそうだ。
【日本語字幕】ペンス米副大統領 対中方針演説(2018)【ノーカット】(ニコニコ動画)
を見れば分かるが、この貿易戦争は短くても5年戦争になるだろう。
トランプ大統領はパウエル議長に繰り返し利下げを要求し、FRBが公表したパウエル議長の日程表で2月には会食、3月と4月に電話していたことが明らかになっている。その内容は、「FRBは利下げすべきだ。国債などを大量購入することで市場に資金を流す量的金融緩和を再開すべきだ」というものだ。
トランプ大統領は6月11日にツイッターで、「ばかげた量的引き締めに追い打ちをかけている!彼らは全く分かっていない!」と、FRBへの怒りを爆発させている。首が飛ぶのを恐れているFRBの理事たちは利下げ方向に一斉に傾いていて、もうFRBは利上げには動けないだろう。これから、株が下がるたびに利下げの催促相場が展開される可能性が高まっている。
米国の政策金利(FFレート)とNYダウ平均株価の推移
米国の利下げ開始はバブルの終わりの始まりか!?
ドル/円相場のトレンド転換売買シグナル
今回、新しく紹介するテクニカル指標は、相場のトレンド(方向性)のサイクルチャートである。筆者はこれを相場の方向を確認する用途で使っている。
0から100の数値が出ているが、筆者は売られ過ぎとか、買われ過ぎといったポイントにはまったく注目していない。トレンドサイクルの転換点が、この指標の示唆する相場の転換点である。
この世の誰もが「“正確に”相場を予測することができない」ということは、はっきりしている。では、相場に対しどのようなアプローチをすればよいのだろうか?試行錯誤をしても明確な答えは見つからないが、逆説的に1つの取引手法が浮上してくる。それは、相場を予測することをやめて、ひたすら相場についていくことである。これを相場の世界では「順張り」(トレンドフォロー)と読んでいる。相場の醍醐味は大きなトレンド相場に乗ることだ。
ドル/円(日足) トレンドサイクルシグナル
ドル/円(1時間足) トレンドサイクルシグナル
ラリー・ウィリアムズの円と日経平均の売買戦略
ここ数週間のラリー・ウィリアムズの予想が冴えている。ラリーは今週、日経平均株価の戦略を変えてきた。ドル/円の戦略についての変更はない。円高狙いのドル/円の戻り売りが基本だ。
以下のコメントを参照されたい。
ラリー・ウィリアムズの日経平均予測
ラリー・ウィリアムズの日本円通貨先物予測
原油先物や木材先物との相関関係から見ると、日経平均は現在、割高な水準といえるだろう。今の相場は高いところを買っても報われない。
日経平均(赤)とNY原油先物(青)のオーバーレイチャート
原油先物は日経平均とNYダウに1日先行
日経平均と木材先物のオーバーレイチャート
木材先物は日経平均に20日先行
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