2018(平成30)年6月30日
名古屋市の百貨店、丸栄が閉店
2018(平成30)年6月30日、名古屋市の百貨店「丸栄」が閉店しました。丸栄は創業400年の歴史を持つと言われる、老舗百貨店でした。
1615(元和元)年に創業した老舗十一屋呉服店と、京都で丸物を経営していた中林仁一郎が地元資本家と合弁で1937年に設立した百貨店「三星」が合併して1943年に設立された百貨店で、「丸栄」という店名は名古屋市栄区で丸く栄えるようにと名付けられたものでした。
松坂屋が圧倒的な存在感を誇る名古屋の百貨店業界の中、独自色を出すためにカジュアル路線の百貨店を目指し、地元住民から愛される百貨店となっていきました。
しかし、バブル崩壊以後は経営不振が続き、苦境にあえぐことになります。名古屋松坂屋、名古屋三越、名鉄百貨店と並び「4M」と称された丸栄でしたが、ネット通販の台頭に押され、主力であった婦人服の売り上げも低迷。1999年当時流行していた「ギャル路線」への方向転換も、中高年の常連客離れを招く結果となりました。
ピーク時には820億円を超える売り上げを記録していましたが、2017年2月期の売上は168億円まで低下。3期続けて最終赤字を計上していました。
さらに建物の老朽化という追い打ちもあり、老舗百貨店はついに閉店となりました。
外国人観光客によるインバウンド需要で、少し息を吹き返している百貨店業界ですが、ショッピングが多様化する現在、百貨店ならではの価値を築き出せるかが問われています。
2018 年6月30 日の日経平均株価終値は
22,304円51銭
ライター FIX JAPAN 前沢ともあき
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