令和の時代も始まりました。みなさん、秋に待っている一大イベント、お忘れではないでしょうか? 4年に一度、初めて日本で開催されるラグビーワールドカップももちろん一大イベントですが、もっと身近で影響が大きいのが、消費税増税です。

10月1日より消費税増税10%

 とうとう、10月1日から10%に増税をはじめようとしています。今回は、軽減税率が導入され、酒類、外食を除く飲食料品と新聞は8%の据え置きとなっています。外食の定義として、店内やフードコートでの飲食となっていますので、株主優待の人気カテゴリー「外食銘柄」も含まれます。

 そこで「株主優待」。株主優待は、日用品や外食を優待品でお得にすることができますが、株主優待で消費税増税をもクリアすることができるのです。どんな株主優待銘柄がよりお得に使えるのか、今のうちにチェックしておいたほうが良い優待銘柄のご紹介です。

消費税込みの優待銘柄

 初めから優待額に消費税分が上乗せされ発行している株主優待券があります。例えばキャンドゥ(2698)は優待券に「100円+税」と印字されているので、増税後もそのまま使える優れもの。20枚綴りですので、8%の時は2,160円分の価値がありましたが、10月以降は自然に2,200円分の価値となります。

 店舗形態に対応した優待券ですので、増税後も安心して使える嬉しい優待。同様に優待額面を税込み表示にしてあるリンガーハット(8200)がありますが、現在額面540円を変更するIR(投資家情報)は出ていないので、会社の対応が待たれます。

増税前に使っておきたい優待銘柄

 増税前の対策の一つとして、事前に優待を使った購入で防衛する方法も。特にこの先使う予定のある高額商品は事前購入がおススメ。4月からの新生活に向けて、入学で必要なランドセルや通っていらっしゃる学校の制服の買い増しなどデバートで扱っている商品なら、デパートの優待が使いましょう。

右:カードとパルコで使える優待。左:J.フロント リテイリングの優待案内

 三越伊勢丹ホールディングス(3099)や大丸、松坂屋のJ.フロント リテイリング(3086)高島屋(8233)、阪急、阪神百貨店のエイチ・ツー・オー リテイリング(8242)など、株数に応じて限度額を設定していたり、食品やセール品でも使えたりと各社優待内容はさまざまですが、大抵は10%割引ですので、高額になるとお得度は増します。他にニトリホールディングス(9843)ビックカメラ(3048)の優待を使って家具、家電をそろえるのも良いかもしれません。面白いところでは三菱マテリアル(5711)の優待は宝飾品の割引もあるので、ご結婚を考えていらっしゃる方は婚約指輪の早めの購入を考えても。無事にお相手にお渡しできることを願っております。

 一番の高額商品と言えば住宅ですが、こちらは引き渡し時の税率となるので、9月末までに引き渡し可能ですと8%の適用となります。今から契約し、引き渡しが9月ですとスケジュール的に少し厳しいかもしれませんが、ミサワホーム(1722)大成建設(1801)など住宅購入の際の割引をいくつかの会社が出しています。

商品と交換の優待銘柄

優待で購入した月見バーガーのバリューセット

 初めからセットになっている商品と交換する株主優待も増税しても変わりません。松屋フーズホールディングス(9887)の優待は自社主要メニューから1品選択制。税額が変更になっても、変わらず使えます。同様に日本マクドナルドホールディングス(2702)の株主優待も商品無料引換券なので、そのまま。増税分も含まれた優待券になるので、実質優待価値が向上したことになります。

 体験型の優待も増税とは無関係の様です。先日映画入場料の値上げを発表した東急レクリエーション(9631)系の109シネマや6月から値上げ予定の東宝(9602)系のTOHOシネマズ。今のところ優待内容は変わりませんので、値上げ分が自動的にお得分となっています。他に東京テアトル(9633)松竹(9601)などもポイントや優待シートで映画が見られる銘柄も同様です。

 もう一つの体験型はスポーツクラブ。自社施設無料利用券をいただけますが、こちらも増税されても変わらず使える様です。セントラルスポーツ(4801)は半年で3枚、ルネサンス(2378)は半年で2枚。オリンピック開催が近づいて、スポーツ熱も盛んになりそうですので、今のうちにスポーツクラブ銘柄を仕込むついでにお得に健康管理ができますね。

お得な優待銘柄

 最後に、もともと優待がお得な銘柄をいくつかご紹介します。
 多くの株主優待は本体価格+税の合計から優待額を引いて支払額となります。例えばランチ代税抜き1,200円の場合、1,200円+税96円=1,296円。優待券1,000円出して現金296円のお支払い。ところがいくつかの会社は、本体価格から先に割引してくれる会社もあります。
先ほどの例ですと、1,200~1,000円に税金をかけるので、200円×1.08で216円。比べると80円も違いが。小さな違いですが、溜まると結構な額になります。

 ライトオン(7445)もこちらの方式の会社。以前に優待を使ってお買い物しようと優待券3,000円を持参し店舗へ。消費税分を考えて2,800円の商品をレジに持って行くと、2,800~3,000円となり、「まだご購入できますよ」と言われたことが。「おつりは結構です」と言えば良いですが、ついギリギリまで使ってしまおうと思うので、靴下などで帳尻合わせしてお買い物しました。シダックス(4837)マルシェ(7524)木曽路(8160)なども同様ですので、優待券を使う際には無駄なくお使いください。

 いろいろな優待を見てきましたが、10月の増税に備え、株主優待を使うことで防衛しながらしっかり備えることができます。たったの2%ですが、平均家庭でおよそ年間4万円の増税となると言われています。「増税」と言うと消費が落ち込み、景気が悪くなり、何だか辛く悲しい事と感じますが、株投資で株主優待を使い、明るく、楽しく、お得に増税に立ち向かう準備をした方が良いのではないでしょうか。

 しっかり備えて、10月の増税に打ち勝つ株主優待、始めてみませんか。