今週の予想

今週も強弱材料入り混じるが、米中貿易摩擦の一服感が出れば多少のリバウンドも

 今週も強弱材料入り混じるが、米中貿易摩擦の一服感が出れば多少のリバウンドも
今週は下値が限定的で2万1,000円台の値固め、上値は日経平均株価の累積出来高の多くある2万1,400円台から上値が重くなると言えます。

 また、米国では27日がメモリアルデー(戦没者追悼の日)で、NYは3連休となりため、週後半は売買の手控えムードとなりそうです。

 20日は、+55円の2万1,305円で寄り付き、すぐに2万1,430円まで上昇するものの、上値重く後場には小幅な値動きに終始。+51円の2万1,301円と寄り付き価格近辺で終わりました。

 基本的には今週も、米中貿易戦争の行方の不透明さが底流にあり、中国の景気減速を受けて日本市場の経済成長も減速。なかなか強気になれないところです。

 ただ、目先的には米中貿易問題は先週末に中国が米国との通商交渉を見合わせるとの報道があったことで、6月28~29日の大阪でのG20(主要20カ国)首脳会議開催に合わせて行われる米中の首脳会談を待つことになります。とは言え、米中首脳会談を有利にするために、トランプ米大統領は追加関税措置「第4弾」を示唆し、ファーウェイへのハイテク部品禁輸措置を発表しており、さらに何かを仕掛けるようだと相場に悪影響を与えることになります。

 現在、これ以上の問題が出なければ目先は一服したとして、米国の投資家は株を買い増し前向きだという見方があります。

 また、中国政府も国内景気後退の対策として、インフラへの景気刺激策を打ち出す可能性があり、さらに、FRB(米連邦準備制度理事会)による年内利下げ期待も相場を支えるとの見方もあります。 

 全体的に言えるのは、NYダウ平均株価は上昇しても戻り高値に向かっていると考えた方がよく、同様に日経平均株価も下げ過ぎからの目先は戻り相場であり、大きく上下動した後、本格調整がある可能性を頭に入れておくべきでしょう。

 リスクをとらない人は、本格調整を待つことになり、リスクをとる人は、必ず損切り基準を決めて(例えば10%で利食い)、下がったときは、機械的に対処する姿勢が必要です。過去の経験則では、本格的な調整は、1カ月ぐらいのズレはあっても、4月、7月、10月、12月に起こります。これは6カ月ごとの信用期日や3カ月ごとの先物オプションが原因と思われます。

(今週の指標)日経平均株価

 先週末、1ドル=110円台の円安となっており、今週はさらに米中貿易戦争が一服すれば2万1,000円台の値固めから、多少のリバウンド(2万1,400~2万1,500円台)が期待できます。ただし、米国は27日がメモリアルデーの休日で3連休となるため、週後半は様子見となる可能性もあります。

(今週の指標)NYダウ平均株価

 今週は、米中貿易摩擦問題は、先週末17日に、中国が米国との通商交渉を見合わせるとの報道が出たことで、6月28~29日の大阪開催のG20において米州首脳会談が見込まれ、相場への影響は限定的なものとなりそうです。むしろ、今週の相場は決算の内容や経済指標の強弱を見て反応することになる可能性があります。また、22日公表のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録公開の中で、インフレ見通しとして利下げの可能性について、FOMCメンバーがどう議論したか、注目となります。  

(今週の指標)ドル/円

 今週は、米中貿易協議は中国が米国との交渉を見合わせるとの報道が出たことで、6月28~29日の大阪開催のG20に合わせて、米中首脳会談は持ち越されました。そのため、今週は米中貿易協議の不透明さでの影響は限定的と思われます。ただ、株安となればドルが売られて円高方向に動く可能性はあります。FOMCの議事録が22日に公表されますが、利上げ、利下げ問題の議論内容か注目となります。今週は1ドル110円前後でのもみ合いが想定されます。

先週の結果

週前半に制裁関税「第4弾」を織り込んだ後、自律反発の動き

 先週、週前半の14日に▲439円の2万751円まで下げて織り込み、この日に▲124円の2万1,067円と3年1カ月ぶりの7連敗。その後は自律反発の動きとなりました。

13日:米中貿易摩擦の悪化懸念で売り先行。▲164円の2万1,180円で寄り付き、一時▲216円の2万1,227円まで下落。米制裁関税の第4弾を織り込む動きとなり、さらに午後発表の3月景気動向指数の基調判断が6年2カ月ぶりに「悪化」。これが相場の重しとなって▲153円の2万1,191円と8カ月ぶりの6連敗となりました。 

14日:前日の米国市場で中国の報復関税の発表を受けて、日経平均は▲320円の2万870円で寄り付き、一時▲439円の2万751円まで下落。しかし、円高がそれほど進行しなかったことで、下げ幅を縮小し、▲124円の2万1,067円と3年1カ月ぶりの7連敗となりました。この日の日足は長い下ヒゲの陽線となっていたことで、いったん反発してもおかしくない形でした。 

15日:前日の米国市場でトランプ大統領が米中通商合意の可能性についてツイートを繰り返したことで、過去の警戒感が和らぎ、米国株式が反発して日経平均も+121円と8日ぶりに反発しました。

16日:時間外での米株価先物安を受け、一時▲236円の2万951円と2万1,000円を再び割り込みましたが、終値では▲125円の2万1,062円で引けました。 

17日:前日の米国市場では、好決算や強い経済指標を受けて主要3指標3日続伸。日経平均は円安基調もあって+183円の2万1,246円で寄り付き、一時+335円の2万1,398円まで上げ幅を拡大しました。しかし、後場になると上海株式が下げ基調を強めると上げ幅を縮小し、+187円の2万1,250円で引けました。

 日本市場の引け後の米国市場では、カナダ、メキシコとの鉄鋼とアルミニウムに課す関税の撤廃合意ができたことや、ミシガン大学消費者信頼感指数の上振れなどで株価は堅調な動きとなっていたものの、中国が米国との通商交渉を見合わせるとの報道を受け、終盤にNYダウは▲98ドルの2万5,764ドルの下落となりました。シカゴの日経先物は為替が1ドル110円台の円安進行となっていたことで、▲45円の2万1,225円と小幅の下げでした。