親会社向けの割当増資計画を発表、不透明感払拭とグループ“改革”を前向きに評価

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銘柄名 株価 情報種類
00762

中国聯通(香港)
(チャイナ・ユニコム)

 12.04 HKD
(8/24現在)

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 H株企業のチャイナ・ユニコムは23日、第三者割当増資計画を発表。直接の親会社である中国聯通集団(BVI)有限公司(以下、聯通BVI)に対して1株当たり13.24HKドルで、新株66億5100万株(増資後の発行済み株数の21.7%)を割り当てる計画を明らかにした。BOCIは今回の迅速な決定を前向きに評価し、親会社からの資本注入方式を取り巻く不透明感がこれで払拭されたとの見方。EPS希薄化などを反映させる形で予想EPSを減額修正しながらも、今後は有力ネット企業やその他業界トップによる上海A株企業、中国聯合網絡通信(600050)への資本参加(混合所有制改革)を背景に、グループ全体への信頼度が向上すると予想。チャイナ・ユニコムの経営効率や採算性も改善するとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 新株66億5100万株の割当完了に伴い、聯通BVIによるチャイナ・ユニコムの持ち株比率は現在の40.6%から53.5%に上昇する(割当価格の13.24HKドルは8月22日終値に対して10%のプレミアム水準)。一方、この聯通BVIは、中国聯合網絡通信集団有限公司(ユニコム・グループ)と上海A株企業・中国聯合網絡通信の共同出資会社であり、それぞれの持ち株比率は17.9%、82.1%。チャイナ・ユニコムの新株引き受けに伴い、ユニコム・グループと中国聯合網絡通信は聯通BVIに総額749億5400万元(880億6000万HKドル)を注入する。聯通BVIに対する両社の出資比率は変わらない。

 BOCIによれば、中国聯合網絡通信の戦略投資家受け入れとチャイナ・ユニコムの増資に伴い、グループ各社の株式構成は以下のように変化する。◇戦略投資家による出資と株式インセンティブ制の導入で、中国聯合網絡通信の浮動株比率は25.4%に低下する。◇増資の実施により、チャイナ・ユニコムの浮動株比率は25.6%から20.1%に低下する。◇チャイナ・ユニコムに対する中国聯合網絡通信の出資比率(聯通BVIを通じた間接出資)は33.3%から43.9%に上昇する。◇チャイナ・ユニコムに対するユニコム・グループの持ち株比率は41.1%から36.0%に低下する(戦略投資家の受け入れで、中国聯合網絡通信株の持ち株比率が下がるため)――。なお、A株、H株の取引計画はいずれも、株主承認、本土・香港証券当局の認可後に実現する運びとなる。

 今回発表された増資によるEPS希薄化(27.77%の割合)やその他財務要因、従業員向けストックオプションによる影響など反映させる形で、BOCIはチャイナ・ユニコムの2017-19年の予想EPSを37.4-20.5%の幅で減額修正し、目標株価を小幅に引き下げた。なお、目標株価はDCFモデルに基づく適正価格15.10HKドルに、中国鉄塔股フン有限公司(鉄塔保有会社)のIPOを見越したオプション価値を上乗せした水準。BOCIは通信キャリア3社の中で、チャイナ・ユニコムに対して最も強気。以下、チャイナ・モバイル(00941)、チャイナ・テレコム(00728)の順で有望視している。