17年中間期に55%増益、日系合弁会社3社が好調

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02238

広州汽車集団股フン有限公司
(グァンジョウ・オートモービル

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 広州汽車集団の2017年6月中間期の純利益は前年同期比55.3%増の61億8000万元に達した。4-6月期を見ると、売上高は前期比で増加したにもかかわらず、純利益は前期の38億3000万元を下回る23億5000万元。ただ、これは9億2800万元に上る資産減損損失が響いたためで、この要因を除いた同期純利益はBOCIの事前予想をやや上回る30億元に達した。合弁会社の中では、日本企業と組んだ3社がすべて好調であり、これがGAC-FC(フィアット・クライスラーとの合弁会社)の中間期の利益下振れを十二分にカバーした。BOCIは広州吉奥汽車(Gonow)に絡む減損損失の追加計上を見込みながらも、下期の同損失は4-6月から大きく縮小するとの見方。これにより、下期の利益見通しが、16年に比べてより明確化するとみている。また、同社に関しては自社ブランド「傳棋」(Trumpchi)の利益成長の持続性が最大の注目ポイントになるとし、この点が同社の再評価のカギを握るとした。17年予想PER8.5倍をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 17年6月中間期には、自社ブランド車「傳棋」の販売好調(同50.7%増)を受け、売上高が前年同期比62.2%増の348億元に達した。営業利益は同85.3%増の21億元。粗利益率の改善(前年同期の21.3%から22.9%に上昇)に加え、販管費の低減(対収入比率が1ポイント低下)が資産減損損失を一部相殺したことが、大幅な営業増益に寄与した。一方、減損損失のうち約8億元は全額出資子会社、広州吉奥汽車関連。同社が大半の車種について生産を停止したことが影響した。

 中間期に目を引いたのは日系合弁会社の好調。その恩恵で、中間期の投資収益(主に合弁事業収益)は前年同期比46.1%増の47億元に達した。BOCIによると、うち広汽ホンダは平均販売価格の11%高に伴う利幅改善が寄与し、中間期に推定45%増益。広汽三菱は「アウトランダー」の好調で、同181%の大幅増益。広汽トヨタもニューモデル不在の中、前年同期並みの売り上げを確保し、1桁台半ばの増益を達成した。

 BOCIは日系合弁会社の好調を反映させる形で、17-19年の利益見通しを2-3.3%増額修正した。今後のA株割当増資の可能性を除外した場合、同社の現在株価の17年、18年予想PERがそれぞれ8.2倍、7.4倍と、相対的に低水準にある点を指摘している。力強いファンダメンタルズにもかかわらず、ここ数年、同社株のバリュエーションは低水準にとどまっているが、BOCIによれば、これは主に、◇国有企業である同社の経営陣が長期の安定成長を重視しているため、四半期業績が相対的にブレやすい、◇東風汽車集団(00489)などと同様、従来型の国有企業であるために、市場は過去2年にわたって好調な自主ブランド「傳棋」を別途評価していない――。ただ、「傳棋」の成長持続性が18年にさらに証明されれば、再評価が期待できるとしている。