1992(平成4)年6月2日

デンマークが国民投票の結果、マーストリヒト条約批准を否決

 

 1992年6月2日、デンマークがマーストリヒ条約を国民投票の結果、微差で批准を否決しました。これはデンマーク・ショックと呼ばれ、ヨーロッパ連合の新しい枠組みに前進していたヨーロッパ諸国に大きな波及をもたらしました。

 デンマークはドイツ連邦の北に位置する北欧の立憲君主制国家で、日本とは幕末の頃から修好通商航海条約によって国交が開かれた国でもあり、デンマーク王室と日本の皇室も深い交流のある国です。

 マーストリヒト条約は、欧州連合の創設を定めた条約で、もともと経済、通商に関する機関であった欧州経済共同体をさらに発展させ、単一通貨となるユーロの創設のほか、共通外交・安全保障政策・司法内務協力などの導入を規定し、外交政策や軍事面でも協力関係を結ぶことを目指していました。

 デンマークは独自の文化や主権が失われることへの不安感から本条約への批准を否決しましたが、国民投票でわずか5万票差という微差でした。しかし加盟国すべての批准がなければマーストリヒ条約が発効できないため、デンマークの批准否決はEC(ヨーロッパ共同体/1992年に誕生したヨーロッパの地域統合機構)加盟国に大きな衝撃を与えます。

 そこでデンマークは、独自通貨の使用を認めるなど4つの除外項目を規定したエディンバラ議定書を提案することで批准の合意に至り、1993年11月1日に本条約は発効され、ECは大きな一歩を踏み出すことになりました。条約名は調印されたオランダのマーストリヒトにちなんでいます。 

 

1992年6月2日の日経平均株価終値は

18,125円55銭

ライター FIX JAPAN 前沢ともあき