本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは110.74

下値メドは108.82

今朝の天気マークは「雨」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

米中通商交渉の行方に注目、来週月曜日朝のマーケットは要注意

 9日(木曜日)のドル/円は、110.08円でスタートして東京時間に110.11円までわずかに上げた後、NY時間には109.47円まで下落。終値ベースで5営業日連続の下げとなりました。

 北朝鮮が日本海に向けて短距離ミサイルを発射。米中通商交渉の悪化とミサイル発射は裏で結びついているとの見方もあります。ドル/円にとっては経済と地政学のダブルのリスクオフで円高がさらに進む可能性もあります。

 本日も重要な経済指標が発表されます。発表スケジュールについては「トレード前に必ずチェック!今日発表の重要指標!」でご確認ください。

 今日の東京時間の注目データはRBA(豪準備銀行)の四半期金融報告。RBAは今週利下げを見送りましたが、豪経済の先行きに対して「楽観的すぎる」のではないかという疑問が出ています。

 欧州時間には英国の1-3月GDP(国内総生産)に注目。ブレグジットは全く先が見えないのですが、意外にもポンドのパフォーマンスは良いのです。詳しくは「今日の注目通貨」をご覧ください。

 北米時間はカナダの失業率、そして4月の米CPI(消費者物価指数)の発表があります。インフレ率FRB(米連邦準備制度理事会)の政策を考えるうえで重要な指標。ただ、今の焦点は米中通商交渉の行方です。週末までに合意する可能性は低いと懸念する考えが多くなっています。どちらの結果となっても来週月曜日朝のマーケットは要注意。

毎ヨミ!FXトップニュース(5月9日)

9日ドル/円のNY市場の終値は109.78円

 8日の終値に比べ0.31円のドル安/円高だったので、今朝の天気マークは「雨」です。

各国・各通貨トピックス

ドル:
    米中貿易協議、中国は米国が妥協すると見誤ったことが悪化の理由
    米中貿易交渉が合意したとしても、両国の関係が良くなることはない
    スタンダード・チャータード銀行、米国の対イラン制裁に違反で罰金10億ドル

ユーロ:
    欧州委員会、ユーロ圏GDPの予想を+1.2%に引き下げ
    欧州委員会「イタリアの財政赤字は2020年に3.5%を突破する」

ポンド:
    カーニーBOE(英国中央銀行)総裁「予想通りならば、利上げが必要になる」
    次の英首相候補は、ブレグジット推進派。EU(欧州連合)離脱交渉はさらに難航か

カナダドル:
    中国がカナダ豚肉業者2社からの輸入を停止。ファーウェイ巡る政治的問題が背景か

その他
    アカデミー賞のNetflix作品除外、独禁法違反の可能性
    メキシコ大統領、スペイン国とローマ法王に、侵略と人権侵害で謝罪を要求
    中国でヒトの脳の複製遺伝子をサルの脳に移植する実験

主要指標終値

出所:楽天証券作成

本日の注目通貨

今年の勝ち組は「ポンド/円」?

 下のグラフは、今年1月3日の始値に比べて5月9日の終値が何%上昇したか、上昇率の高い順にランク付けしたものです。

出所:楽天証券作成

 2019年のパフォーマンスを見ると、意外にもポンド/円が2位、ポンド/ドルが3位につけています。ブレグジット問題で英国はダメだ、ポンドもダメだとけなされながら、実は他の通貨ペアに比べてパフォーマンスが良かったのです。一方で、ユーロが負け組通貨ペアに属しているのも注目。

 ポンドは、EU(欧州連合)離脱の混乱で悲観論が強まっていましたが、最悪の「合意なき離脱」は回避できそうだということが安堵感、そしてポンドの評価につながったわけです。ユーロ/ドルに関してはまったく逆で、一時は今年の夏に利上げを予定するほど経済回復の期待があっただけに失望も大きかったようです。

今週の勝ち組は「ユーロ/ドル」

 ところが今週のパフォーマンスを見ると、これまでの動きが逆回転してユーロ/ドルのパフォーマンスが最も良く、逆にポンド/円のパフォーマンスが最悪になっています。

 下のグラフは、5月6日の始値に比べて5月9日の終値が何%上昇したか、上昇率の高い順にランク付けしたものです。

出所:楽天証券作成

トレード前に必ずチェック!今日発表の重要指標!

10日:英GDP、米CPI、カナダ失業率など

経済指標過去データは楽天証券サイトにてご確認ください。 出所:楽天証券作成

◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。


※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。