人生100年時代、お金の相談は誰にすればいいのか?実態調査

『LIFE SHIFT-100年時代の人生戦略-』(東洋経済新報社)が2016年10月に発売され、「人生100年時代」という言葉をいたるところで見かけるようになりました。高齢化による医療費の増大や、年金の減額などは、お金の不安も募らせます。私たちは人生100年時代に向けて資産を備えなければいけなくなってきました。

 4月9日に金融庁から発表された「リスク性金融商品(株式・投資信託など)販売にかかる顧客意識調査について(インターネット調査結果分析の中間報告)」からは、金融機関の残念な実態が浮き彫りとなりました。なんと8割のユーザーが、金融機関の窓口・販売担当者からリスク性金融商品の購入後、フォロー・アドバイスを受けていない、あるいは、ほとんど受けていないと回答しています。

図1:リスク性金融商品を購入する際、金融機関の窓口・販売担当者より、ほかの金融商品との比較説明を受けたことがあるか

注:金融庁作成 リスク性金融商品販売にかかる顧客意識調査について(インターネット調査結果分析の中間報告) N=4,159

 また、リスク性金融商品(株式・投資信託など)を自分の判断だけで選定できないが、金融機関の窓口・販売担当者には相談しない人がその理由にあげる上位には、「必要ないものを勧められる」、「金融機関が売りたい商品を勧められる」が並びました。

図2:リスク性金融商品を選ぶにあたって、金融機関の窓口・販売担当者に相談しない理由は何ですか。(複数回答)

注:金融庁作成 リスク性金融商品販売にかかる顧客意識調査について(インターネット調査結果分析の中間報告)N=2,612

 金融機関は「お金の相談相手」と認識されておらず、投資信託などの投資商品を購入した人に対して「ほったらかし」。2017年3月に金融庁から「顧客本位の業務運営に関する原則」が公表されてから、各金融機関はお客様と対峙する際の心構え・姿勢を明文化し宣言してきましたが、フィデューシャリーデューティーの実現へはまだ道半ばのようです。

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 一方、このデータからは投資家のニーズも推察することができます。多くの投資家は「自分の悩みをちゃんと聞いてくれて」「自分にあった商品を提案してくれて」「親しみやすく」「分かりやすく」「投資信託を購入した後も面倒を見てくれる」アドバイザーを求めていることが分かります。

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