GW10連休の間、「3分でわかる!今日の投資戦略」では、株式投資の基礎レッスン1から10をお届けします。今日は、GW4日目。レッスン4をお届けします。

 楽天証券では3月18日より、「PTS」を使って、夜間(17時~23時59分)でも日本株の売買ができるようになりました。今日は、PTSを使う2つのメリットについて、解説します。

株式取引をできるのは、証券取引所だけでない。「PTS」(私設取引システム)でも可能

「PTS」という言葉を聞いたことがありますか?「PTS」は、「Proprietary Trading System」(私設取引システム)の略称です。株式の取引は、東京証券取引所や名古屋証券取引所のような取引所だけでなく、PTSでもできるようになっています。

 日本で運営されているPTSは、以下の2つだけです。

◆ジャパンネクストPTS(JNX) SBIジャパンネクスト証券株式会社が運営

◆チャイエックスPTS(Chi-X) チャイエックス・ジャパン株式会社が運営

 楽天証券では、上記2つのPTSどちらにも、取引を取り次ぐことができます。取引時間は、以下の通りです。

 

PTSの取引時間

◆ ジャパンネクスト

デイタイム 8時20分~16時
夜間取引  17時~23時59分

◆ チャイエックス

デイタイム  8時~16時 

 

PTS取引、2つのメリット

 PTSで日本株を売買するメリットは、以下の2つです。

【1】東証が開いていない時間(朝・昼休み・大引け後・夜間)にも売買が可能

【2】東証が開いている時間帯に、東証よりも安く買い、高く売る機会が得られることがある

以下、詳しく説明します。

【1】取引時間が東証よりも長い

東京証券取引所、ジャパンネクスト、チャイエックスの取引時間比較


 
出所:楽天証券経済研究所作成

 PTSを使うと、東証が開く前(チャイエックスなら8時~8時59分)、昼休み(11時31分~12時29分)、大引け後(午後15時1分~16時)にも、取引を行うことができます。また、夜間(ジャパンネクストで17時~23時59分)にも取引できます。

東証が開いていない時間に取引するメリット

◆東証が開く前:前日の欧米株式や為替の動きを見て、東証が開く前に売買を成立させられる

◆昼休み:東証が開いていない11時30分~12時30分でも売買を成立させられる

◆東証の大引け後:15時に決算を発表する企業が多数。決算内容を見て売買するのは東証だと翌日になるが、PTSなら、決算が出た直後の15~16時に売買できることも

◆夜間取引:東証の大引け後に出たニュースを見て、夜間にも売買を成立させられる

 

【2】東証が開いている時間帯に、東証より有利な価格で取引する機会が得られる

 PTSでは、東証よりも「呼び値」の刻みが細かくなっている銘柄があります。そういう銘柄では、東証がオープンしている間、東証よりも有利な価格で取引できる可能性があります。

 たとえば、A社株が、東証では1円刻み、PTSでは0.1円刻みで売買されるとします。そこでA社の板(売買注文の入り方)を見ると、以下のように、売り指値・買い指値が入っていたとします。

A社の板状況

出所:楽天経済研究所作成

注:東証では、101円に2,000株の売り指値があり、100円に1,500株の買い指値があります。呼び値の刻みが1円なので、東証ではそれより細かい指値は入れることができません。PTSでは0.1円刻みの売買ができるので、100.6円まで売り指値が、100.5円まで買い指値が入っています。

 

 ここで、A社に100株の成行(なりゆき)買い注文(価格を指定せず、すぐに約定させる注文)を出したとします。板状況が変わらなければ、東証だけの取引では101円で買うことになりますが、PTSなら、100.6円で買えます。つまり、PTSの方が、0.4円(約0.4%)安く買うことができます。

 ここで、A社に100株の成行売り注文を出すと、東証では100円で売れますが、PTSでは、100.5円で売れます。PTSの方が0.5円(0.5%)高く売ることができます。このように、売買の刻みが細かい場合は、PTSの方が有利な価格で取引できることがあります。

東証、チャイエックス、ジャパンネクスト・・・どこが有利?もっとも有利な取引を自動選択する「SOR有効」

 B社の場中(東証が開いている時間)の板が、以下のようになっていたとします。

 どこで、売買するのが、もっとも有利でしょう? 表中の「CHX」はチャイエックス(Chi-X)をさらに短縮した略称です。

B社の板状況

出所:楽天経済研究所作成

注:東証のもっとも低い売り指値は17,690円です。東証のもっとも高い買い指値は17,680円です。その間に、PTSで指値が入っています。17,689円には、CHXとJNXに合計で2,100株の売り指値があります。17,688円には、CHXだけで100株の売り指値があります。17,682円にはJNXだけで200株の買い指値があります。17,681円にはCHXとJNXの合計で1,500株の買い指値があります。

 100株買いたいなら、CHXに100株の成行買いを入れることで、(板が変わらなければ)もっとも有利な価格(17,688円)で買えます。

 100株売りたいなら、JNXに100株の成行売りを入れることで、(板が変わらなければ)もっとも有利な価格(17,682円)で売れます。

 株式売買注文を出すとき、どこで売買するか、指定することができます。

(1)取引市場を「東証」と指定すると、東証で売買される
(2)取引市場を「Chi-X」と指定すると、チャイエックスPTSで売買される
(3)取引市場を「JNX」と指定すると、ジャパンネクストPTSで売買される

 ただし、めまぐるしく変わる「板」を見ながら、どこで取引したらもっとも有利か、つど判断するのは、至難の業です。こんな時に使うと便利なのが、SOR(スマート・オーダー・ルーティングの略称)です。

 取引市場を「東証」とし、「SOR有効」を選択しておけば、東証があいていて、東証で株価がついている時間帯は、東証、CHX、JNXのうち、もっとも有利な取引のできる場所をシステムが自動選択して、取引が執行されます。

 B社の場合、「SOR有効」で100株成行買いを入れれば、もっとも有利な価格で買えるCHXが自動的に選択されます。「SOR有効」で100株成行売りを入れれば、もっとも有利な価格で売れるJNXが自動的に選択されます。

 

「SOR有効」の注文を出せるのは東証が開いている時間だけ。現物取引のみ可能。信用取引では使えない

「SOR有効」で注文が出せるのは、東証の取引時間中で、東証で初値がついた後だけです。東証が開く前、東証の昼休み、大引け後には、「SOR有効」の注文は出せません。

 また現時点では、現物売買でしか「SOR有効」は使えません。信用取引では使うことができません。