今週の予想
2万2,000円台回復後、外部要因しっかりなら堅調な動きへ
今週は、先週末の米国市場で主要3指標そろって上昇。為替も1ドル=112円台乗せとなったことで、シカゴの日経先物は+190円の2万2,050円、日経平均株価も2万2,000円を回復しました。問題はここから上値追いができるかどうか。チャートは2万2,200円から上値が重くなる形です。
さらに今週は、日米の新たな貿易協議や中国の経済指標が気になるところです。
15日からの2日間で、日米の貿易交渉の初協議がワシントンで行われ、「自動車、農産品、為替問題がどのように扱われるか」に市場の関心が集まっています。特にトランプ米大統領は他国の為替政策を通貨安政策と批判しているため、円安に振られると日経平均は厳しくなります。
また、17日発表の中国のGDP(国内総生産)や3月の経済統計も、結果によっては売買材料となります。
週初15日は、先週末の株高、円安を受け+252円の2万2,122円で寄り付き、上海株式の上昇もあって、前引け間際に+340円の2万2,211円まで上昇しました。後場になると売り買い交錯となり高値圏でのもみ合いが続き+298円の2万2,169円に。2018年12月4日の2万2,036円以来の2万2,000円台と、連日の年初来高値となりました。
一方のTOPIX(東証株価指数)も+22Pの1,627Pとなり、3月4日以来の年初来高値となりました。
来週は10日連休直前のため様子見となりそうですが、今週は外部要因が落ち着いていれば、堅調な動きとなる可能性があります。
(今週の指標)日経平均株価
今週は、先週末12日の半導体市況の改善期待もあって終値では約4カ月ぶりの高値となったものの、2万2,000円水準は大きな抵抗ゾーンであり、日米の貿易協議や中国景気の動向に影響を受けることになります。
基本的に10連休を控えた様子見が強い中で、15日から2日間の日米の貿易交渉は米国の日本に対する圧力次第では、下押し要因となります。17日発表の中国のGDPも中国の景気対策の効果が示されればプラス要因ですが、そうでなければマイナス要因となります。
(今週の指標)NYダウ平均株価
今週19日(金)は米国の休日ですが、米中貿易協議は順調に進行、英国のEU(欧州連合)離脱問題は10月まで延期する妥協案に合意が成功したことで、政治的リスクによる相場変動は考えにくい状況となっています。
また、経済指標も今のところ堅調で、注目は本格化する1-3月期の決算発表となります。すでに2018年10月3日の史上最高値(2万6,951ドル)に徐々に接近しており、2万6,500ドル台からは上値は重くなるところです。
(今週の指標)ドル/円
今週は、引き続きドルは底堅い展開が想定されます。先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(3月19~20日)要旨は、利上げ停止のスタンスにシフトしたことを示唆する内容だったことで、リスク回避的なドル売りは避けられることになります。
また、今後発表される経済指標が堅調だった場合は、リスク選考的なドル買いに振れやすくなります。ただ、今週15~16日にワシントンで日米の貿易協議が行われ、関税に留まらず、トランプ政策である相手国の通貨安への反対が今回の交渉に含まれていた場合は、思惑的なドル売り、円買いの可能性もあります。
先週の結果
先週は、週始め2万1,900円で寄り付き、週半ば2万1,571円まで下げ、週の終値は2万1,870円
週始めの8日(月)は+93円の2万1,900円で寄りつき、3月4日のザラ場高値2万1,860円を上回りましたが、ここがピークとなって▲45円の2万1,761円で引けました。その後は、10日(水)に2万1,571円の安値をつけてもみ合いながら戻りを試す動き。週末の12日(金)には円安を支えに上げ幅を拡大し、+159円の2万1,870円となって年初来高値を更新しました。この日の4月のSQ値(特別清算数値)は2万1,870円で、ほとんど同値で引けたことになります。ただし、ファーストリテイリングのみで+160円上昇しており、日経平均の実体は前日比変わらずの状態と言えます。
8日(月):前週末の欧米株高を受け、買い先行で始まり2万1,900円で寄り付きました。ここをピークにいったんマイナスに転じたものの、上海株式の上昇を支えに小高い水準に持ち直し。しかし、買いが続かず昼休みに上海株式が下げに転じると日経平均も軟化して、▲45円の2万1,761円と4日ぶり反落しました。
9日(火):前日の米国の主要3指標はまちまちで利益確定売り先行。しかし、ナスダックは続伸したことで、ハイテク株を中心に一時上げに転じましたが、すぐに軟調となりました。後場になると日銀のETF(上場投資信託)買い期待を支えに再びプラス圏入りし、上げ幅は限定的ならが+40円の2万1,802円と反発して引けました。
10日(水):前日の米国市場が、米国と欧州との貿易摩擦懸念が広がり、IMF(国際通貨域金)が2019年の世界経済の成長見通しを再び下方修正したことも嫌気され、主要3指標そろって下落。これで日経平均は売り先行で始まり、寄り付き直後に▲230円の2万1,571円まで下げました。その後は下げ渋り後場になると日銀のETF買い期待とともに下げ幅を縮小し、▲115円の2万1,687円と反落しました。
11日(木):朝方から売り先行でもみ合いが続いていましたが、見送りムードが強まる中、やや円高もあって前引けは▲59円の2万1,627円と安値引けとなりました。しかし、後場に入ると日銀のETF買い期待や押し目を拾う動きからプラスに転じ、+23円の2万1,711円と小反発して引けました。
12日(金):為替が1ドル=110.95円から111円半ばへの円安を支えに+70円の2万1,782円で寄り付き、一時、利益確定売りでマイナスとなるものの円安歩調に切り返しました。後場になると大引け近くに一時+167円の2万1,878まで上昇。終値は+159円の2万1,870円と続伸し、3月4日終値の年初来高値2万1,822円を更新しました。4月のSQ値は2万1,870円とほぼ同値でした。
12日(金)の米国市場は、1-3月期の好決算企業の予想を上回る結果を受け、主要3指標そろって大きく上昇しました。JPモルガン・チェースやディズニーが急伸し、NYダウは+269ドルの2万6,412ドルとなりました。為替は良好な中国の貿易関連指標や米金融機関の好決算を好感し、リスク選考の円売りに。また、予想を上回った3月輸入物価指数を受けて債券利回りが上昇し、ドルが買われる相乗効果で、1ドル=112.09円まで上昇しました。これを受けてシカゴの日経先物は+190円の2万2,050円となっています。
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