今週の予測

今週は、週始め年初来高値で目先目標達成し、週末のSQをにらみ上下動へ

 今週の日経平均株価は、週始めは前週末の欧米株式の堅調な動きを受けて、ボックスの上限での動きとなり、3月4日のザラ場高値2万1,860円を試すことになりそうです。ただし、戻り高値の水準には200日移動平均線(5日時点で2万1,911円)があり、累積出来高も比較的多いので突破していくには出来高の増加が必要となります。

 海外要因では、米中通商協議の最終合意が4週間以内(4日にトランプ米大統領発言)ということでしたが、月内には難しいとなっており、このまま合意期待を前提とした米国株式の上昇が先週のように続くとも思えません。ただ、中国の経済悪化の懸念が後退するような経済指標が発表されていますので、それが継続するようなら年初来高値となり、さらに戻りを試す可能性もあります。逆に期待ハズレに終わると、この水準が上値のフシになってしまう可能性もあります。

 どのシナリオになるかは今週の「国内外の経済指標」ほか、米中貿易協議や英国のEU(欧州連合)離脱問題、 ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁の記者会見(景気認識など)などが、相場を左右することになります。また、週末はSQ算出日ですので、SQに向けて荒い動きとなる可能性もあります。

 4月8日(月)の前場は、寄り付き+93円の2万1,900円と3月4日のザラ場高値2万1,860円の年初来高値を更新。目先目標達成感が出て、ここをピークに反落。下値は固いものの▲66円の2万1,740円まで下げ、終値は▲45円の2万1,761円で引けました。今週は上述したように国内外の経済指標、12日の英国のEU離脱問題、決算発表、SQ算出を控えており、基本は個別物色ながら荒い動きも想定されるところです。

(今週の指標)日経平均株価

 今週は、週始めは先週末の欧米株高にサポートされて、3月4日のザラ場での年初来高値2万1,860円を試す可能性があります。しかし、そうなっても目先は好材料が出てこない限り2万2,000円の水準は、累積の出来高も多く、現状の市場ボリュームからみると一気に戻りを試していくのは難しいと思われます。今週は国内外の経済指標も多く、その内容に左右される展開となりそうです。

 

(今週の指標)NYダウ平均株価

 先週末にトランプ大統領が4週間以内に最終合意を発表すると述べたものの、その後の中国側との交渉で月内には解決には至らないことが明らかになりました。しかし、今週は協議自体が進展していることで失望とはならないとみられています。

 そのため注目は1~3月期決算発表と経済指標となります。特にFOMC(米連邦公開市場委員会)が注目され、トランプ大統領がFRB(米連邦準備制度理事会)への利下げ圧力を強めていることで、今後の金利動向を確認する必要があります。さらに上昇すると昨年の10月3日の史上最高値2万6,951ドルへチャレンジする局面となります。

 

(今週の指標)ドル/円

 今週も引き続き、世界的な景気減速への懸念が多少和らいでいる中、リスク回避のドル売り・円買いはやや縮小しており、中国景気の減速懸念の後退と米中通商交渉の合意が近いということを前提にドルは底堅い動きとなりそうです。1ドル=110.5~112.5円のレンジを想定。

 

先週の結果

先週は、上値重いものの米国株高にサポートされ週末には2万1,800円台のせ

 米国市場で米中通商協議の合意が近いという期待が継続して株式市場を支え、主要3指標は2週続伸となりました。為替は1ドル=111円半ばで落ち着いており、米国株式にサポートされて日経平均も上値は重いものの徐々に戻りを試し、週末の5日(金)には、3月4日のザラ場での戻り高値2万1,860円に接近する2万1,839円まで上昇して2万1,807円の終値となりました。

4月1日(月):前週末の米国株高と円安・ドル高基調を背景に+295円の2万1,500円で寄り付き、さらに時間外での米株価先物指数や上海株式の上昇。また、中国の3月製造業PMI(購買担当者指数)の改善発表を受け、上げ幅を拡大して+477円の2万1,682円と全面高となりました。後場になると利益確定売りで伸び悩み、終値は+303円の2万1,509円と2万1,500円台回復で引けました。

2日(火):前日の米国市場では米中の経済指標の改善を背景に円安(110.80円→111.43円)も支えとなって+235円の2万1,744円で寄り付くものの、ここがピークとなって利益確定売りで上げ幅を縮小。後場になると新年度入りに伴う国内の金融法人の利益確定売りが観測され、一時2万1,490円に。終値は▲3円の2万1,505円と3日ぶりの小反落となりました。

3日(水):前日の米国市場では、NYダウは反落したもののナスダックが堅調なことを受け、ハイテク株中心に買いが先行。+58円の2万1,563円で寄り付いたあと戻りを試していましたが、後場に米中通商協議をめぐって最終合意に近づいているというニュースを受けて+217円の2万1,722円まで上昇し、終値+207円の2万1,713円と反発しました。

4日(木):時間外での米株価先物指数が堅調で上海株式も5日続伸となっていることで、+11円の2万1,724円で寄り付き、一時+74円の2万1,787円まで上昇。しかし、方向感に乏しく、後場になると前日の終値(2万1,713円)をはさんだもみ合いとなり、終値は+11円の2万1,724円と小幅の続伸で引けました。

5日(金):前日のNYダウの上昇を背景に円安も加わって+18円の2万1,743円で寄り付いたあと、一時+114円の2万1,839円と3月4日の年初来高値(終値で2万1,822円、ザラ場で2万1,860円)を試すものの、終値では+82円の2万1,807円となって突破できませんでした。ただし、米中通商協議の合意間近というのが相場のサポートに。

 5日の米国市場は、米中通商協議の進展が続く中(4日にトランプ大統領は4週間以内に最終合意を発表すると発言)、注目の3月雇用統計が発表され、強弱まちまちの内容でしたが、非農業部門雇用者数が予想を上回ったことで、NYダウは+40ドルの2万6,424ドル、シカゴの日経先物は+60円の2万1,850円でした。