18年本決算は66%増益、主要顧客の設備投資増で19年に成長加速へ

現地コード 銘柄名
02883

中海油田服務

(チャイナ・オイルフィールド・サービス)

株価 情報種類

 8.35HKD
(3/29現在)

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 中海油田服務の18年12月本決算は、純利益が前年比66%増の7,100万元と、BOCIの予想を24%下回った。ただ、これは予想外の減損損失が発生したためで、固定資産および売掛債権関連の減損や為替変動要因を除いたコア利益は同8%増の8億8,600万元と、予想から大きく上振れた。また、売上高は25%増の219億元(国際会計基準)と、予想を14%上回る水準だった。BOCIは主要顧客の設備投資の大幅増に伴い、同社がこの先、急成長を遂げると予想。同時に、海外事業の収益性も改善に向かう見通しを示した。企業所得税率の上昇を理由に、19-20年の利益見通しを31-33%減額修正しながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 18年通期売上高の76%を占めた最大のクライアント、CNOOC(00883)は19年に、中国オフショアでの設備投資額を前年比38-57%積み増す計画。これは中海油田服務の業務量の伸びに直結する。直近のリグ稼働データを見る限り、国内市場では基本的に利用予約が満杯。旺盛な需要に応えるため、購入あるいはリースを通じた新規のリグ導入も必要な状況となった。リグの稼働率は18年に67%だったが、BOCIは19年には86%に上向くと予想。19年のコアEPSについては前年比91%の大幅増を見込んでいる。

 顧客のリクエストに応じてリグの再始動、一部改良を行ったことで一過性の費用が発生し、18年の営業利益率は減損要因を除外しても5.4%(前年は8.9%)に後退したが、今後は段階的に上向く可能性が高い。18年に一部赤字となった海外事業の利益率も改善する見込み。クライアントからの評価の向上や、事業規模が拡大期に向けて転換点に至るとみられることなどが楽観見通しの理由という。

 一方、18年の実効税率は通期利益の87.4%(前年は76.4%)という異常なほど高い数字となったが、BOCIは一時的な現象との見方。減損損失が消え、より多くの海外事業が採算に乗るのに伴い、税率が低下するとみている。

 BOCIは19-20年の利益見通しを31-33%減額修正したが、その理由は税率上昇のみ。先進テクノロジー企業に分類される同社の場合、国内の企業所得税率は15%だが、海外事業の税体系は複雑であり、BOCIは今回、税額想定値を通期利益の53%に設定した。これはほぼ、減損要因を除外した場合の18年の税率に相当する。

 BOCIは19年予想PBR(株価純資産倍率)1.1倍をあてはめ(従来の1.0倍から上方修正)、同社H株の目標株価を上方修正。また、3カ月平均のAH価格差をベースに、A株目標株価も小幅に引き上げた。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、原油急落の可能性、油田技術サービス部門の利益率が改善しない可能性を挙げている。