18年本決算は7%増益、非通信事業が成長けん引へ

現地コード 銘柄名
00552

中国通信服務

(チャイナ・コムサービス)

株価 情報種類

 7.28HKD
(3/29現在)

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 中国通信服務が3月28日に発表した18年12月本決算の純利益は前年比6.9%増の29億元と、BOCIの予想および市場コンセンサス予想をやや下回った。粗利益率が予想に届かなかったことに加え、顧客多様化を目指した非通信事業の開拓に伴い、コストがかさんだため。ただ、BOCIは目標株価を引き上げるとともに、同社株価の先行きに対して強気見通しを維持した。通信キャリアによる設備投資の拡大局面において、同社が低コストという強みを発揮できるとみている。

 18年の通期純利益はBOCIの予想(30億5,000万元)を4.7%下回った、市場予想からもやや下振れたが、これは粗利益率が12.1%にとどまったことが一因。また、ハイレベルの技術アドバイザリー・サービスが求められる非通信市場への参入コストや通信プロジェクトの下請け業務などが粗利益率を圧迫した。

 同社経営陣は引き続き、国内の非通信市場の開拓に照準を合わせる方針。潜在力の大きい非通信事業が通信キャリアによる設備投資の減速リスクをカバーするとともに、長期の成長持続を支えるカギになるとみている。国内の非通信キャリア向けの売上高は18年に前年比25%増の333億1,700万元と、同社売り上げ全体の31%を占めた(ほかに国内通信キャリア向け売上高が同7.1%増の697億500万元、海外事業が11.2%増の31億5,500万元)。

 非通信事業において最大の割合を占めるのは、政府が進めるスマートシティ・プロジェクト。経営陣によれば、IoT(モノのインターネット)、クラウド、ビッグデータといった都市部ハイテクインフラの整備が、引き続き関連業務の需要増を後押しする見通しという。なお、非通信事業の18年の新規受注を発注先別に見ると、政府が全体の22%を占めて最大。以下、運輸、建設、インターネット・ITの各業界が続いた。

 一方、同社は18年期末に1株当たり0.0251元の特別配当を実施する予定であり、年間配当は同0.1508元。配当性向は前年並みの36%となる。

 BOCIは19-20年の収益見通しを小幅に調整。19年の予想純利益を1.9%引き上げる半面、20年に関しては0.5%減額修正した。さらに、利益見通しがより明確になったこと、次世代5Gの準備に伴う通信設備投資の増加見通しを反映させる形で、目標算出基準とする予想PERを11.4倍から13.1倍に上方修正。これにより、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、通信キャリアの設備投資額の変動で、利益見通しが不明確となる可能性を挙げている。